HISAKOブログ

お餅とおっぱい

Bonyu_omohi

初めての妊娠、出産、育児は
未知の世界。
なにもかもがわからないことだらけ。

「知らなかった!」
「え?そうなの?」

驚きの連続ですね。

先日、出産したばかりのママに付き添って
ばぁばがご一緒に来院されました。

現在、産後3週間目。
里帰りで静養中。
かわいい娘と孫のために、
ばぁばはできる限りの支援を
一生懸命してくださっていました。

娘が大人になっても、
所帯を持っても、
大切なわが子であることに変わりはなく
身を犠牲にしても、助けてあげたいと思う
母の愛っていうのは不動なんだなぁ・・・
美しいなぁ・・・

そんなふうに感じました。

さて。
おっぱいを診せてもらったところ、
分泌量は多いんだけど、
やたらと乳質が粘っこく、
乳管内にドロドロした母乳が滞って
血流が悪くなっている状態。
吹き出てくる母乳は温度が低く、
おっぱいの膨らみの根元部分が癒着を起こして
ガチガチになっていました。

産後3週間でこの状態。
これは根本的な何か大きな原因があるはず。
誘因を探り改善しなければ、近いうちに
乳腺炎になりそうな胸騒ぎがありました。

「毎日の食事内容はどんな感じですか?」

聞いてみると

「和食がいいと聞いて
煮物、和え物、お味噌汁、
せっせと食べさせてます」

ばあばが腕によりをかけて、
娘のおっぱいがよく出るように
台所に立ち、おふくろの味オンパレード。
揚げ物やカレーなど、高カロリーなものは
一切食べさせていないとのこと。

うーん。
食べ物ではないとすると、この練乳のようなおっぱいは
何が原因だろう?

もともとの冷え性が原因か?
疲れやストレス?
肩こり?
気圧?

いろいろ考えてみたけど
どうもしっくり来ません。

すると、ばあばが
自信満々、ドヤ顔で言いました。

「毎食、お味噌汁の中にお餅を入れてます。
お餅は消化がよくて腹持ちもいい
日本食の知恵の恩賞ですから!」

な〜る〜ほ〜ど〜〜〜〜〜〜!

知らないってコワイ。
1日3食のお餅・・・
ドロドロおっぱいの原因は
これではっきりしました!

「お餅を食べるとおっぱいが詰まる」

という話は

世間一般、定説になりつつあり、
詳しいことは知らなくても
母乳育児経験者なら
どこかでなんとなく聞いたことがあるのではないでしょうか。

わたしが病院勤務していた頃にも、
産後入院中のお見舞いに、ばあばが大福やら赤飯やらおこわやら
持ってきてくれて、
ママたちはパンパンに張ったおっぱいを持て余しながら
差し入れを口に運んでおられる・・・

そんな光景をよく見かけたものでした。

お餅を食べるとおっぱいの分泌量は確かに増えます。
お餅は白いごはんよりも血糖値が急速に上昇し、
血糖値ハイパーな状態が長く続きます。
その結果、おっぱいがマヨネーズ状態に
なってしまうんですよね。

そんな知識と、経験的なことから、
授乳中のお餅はほどほどに、と
アドバイスしてきたわたしですが、

このたび、ばあばがおっしゃった内容に
ふとある疑問が浮かびました。

「お餅は消化によい」のなら、
胃の滞留時間が短いからおなかが空きやすく、
短時間で消化するとすれば、食べても溜まることがないから
おっぱいへの影響は、実はあまりないのでは?

そのくせ
「腹持ちがいい」という定説もあって。

消化にいいのか?
腹持ちがいいのか?

このふたつ、両極の状態を指していませんか?

結局どっちやねん!?
よくわからなくなりました。

そこで勉強しなおしてみました。

まずは「お餅は消化にいい」と
言われていることについて。

もち米を蒸す → つく → 切り餅状態のものを再び煮る、焼く

こうした工程をたどるうちに、
お餅の中のでんぷんは噛んで柔らかくなったのと
同じような状態になり、
消化・吸収がしやすくなります。

ふむふむなるほど。

ではどこから、その逆の
「お餅は腹持ちがいい」という話が
出てくるのでしょうか?

それは、お餅に含まれる栄養価の高さに
理由がありました。

お餅(100g) 235kcal
ごはん(100g) 168kcal

お餅100gは一般的なお餅2個程度。
ご飯100gはお茶碗1杯程度です。

つまり、同じ量を食べたとしても、
お餅の方がエネルギー量が多いんですね。

含まれる炭水化物の量を比べてみても、

お餅(100g) 50.3g
ごはん(100g) 37.1g

お餅の方が大きく上回っています。

食欲は脳の「満腹中枢」や「摂食中枢」が、
それぞれ刺激・抑制されることにより促進、減退します。

“空腹感”を感じさせる摂食中枢を
刺激する要因はいろいろありますが、
血糖値の減少もその一つにあげられます。

炭水化物が多く含まれるということは、
糖質が多いということでもあります。

胃の滞留時間が短くても、血糖値が高まり、
空腹を覚えるレベルまで下がるまでには
時間がかかるために
「お餅は腹持ちがいい」と
言われるのですね。

ということは。

お餅が
「消化に良い」のも「腹持ちが良い」のも、
どっちも正解だということですね。

血糖値が高いままをキープする
「腹持ちがいい」食材は、血液は粘っこくします。
おっぱいは血液の加工品なので、
おっぱいの性状も粘っこくなります。

そうすると、おっぱいにしこりができやすくなり、
流れが悪くなり、乳管が詰まり、
やがて乳口炎となります。

おっぱいの性状が粘っこいということは、
練乳やマヨネーズ、バターのような状態。
辛いおっぱいトラブルへ一直線です!

お餅は昔、お正月やおめでたい日に食べる
特別な食べもので、普段は質素な食事しか
食べられませんでした。

お産は今と比較にならないほど命がけの大仕事でした。
栄養も衛生状態も悪かったから、
産後の肥立ちも悪く、
体調を崩したり死亡する産褥婦が多かった時代がありました。

そんな時代だったら、
お餅を食べても乳腺炎など
無縁だったかもしれません。

お餅は豊かさの象徴でもあり、
せめて産後はお餅でも食べさせてあげて、
お産を労ってあげようという思いやりの気持ちから、

『おっぱい=お餅』の概念が
生まれたのでしょう。

でも、現代は飽食の時代です。
お餅のようなカロリーハイパーなものを
しょっちゅう口にすれば、えらいことになります。

乳房が張る=おっぱいがたくさん出る・・・
いえ、それ以前に母乳がドロドロになっちゃいます!

母乳はただたくさん出ればいいってモンじゃ
ないのですね〜。

人によっては
1回食べただけでいきなりおっぱいドカン!
ということもあります。

逆に
ママのおっぱいが先天的に優秀で
乳頭・乳輪の形態が最高品質だとか、
人より乳管が太いとか、
分泌量が多すぎない絶妙な体質だったりとか、

飲み方が上手で、
口に入るものなんでも来い!
おっぱいの質なんかカンケーねぇぜ!
細かいことを気にしない
おおらかな赤ちゃん、

ラッキーな条件がすべて揃っている
親子の場合には
これでもか、ってほどお餅を食べても
おっぱいはウンともスンとも
無事なこともあったりして。

不公平な世の中だ〜〜
と思いますが、

自分の状況、体質、
受け入れて適応していくほかないですからね。

そんなこんなで、
ばあばの愛としての「おっぱい=お餅」の概念が
現代にまで残っているのでしょう。

この家族さんのように
実母と娘なら、

「お餅はあかんねんて!」
「え?そうやったん?ゴメーン!」

で笑って終われるけど、
これがお義母さんの場合・・・

せっかく持ってきてくれたお餅、
食べないと角が立つし、
でも乳腺炎になりたくないし・・・

ママたちは困惑してしまうかもしれませんが、
誰もあなたをいじめてやろうと
お餅を勧めるわけじゃないんです。

今後の人間関係を円滑に保つためにも、
ばあばの無知を頭ごなしに否定するのではなく、
お餅に対する世代間ギャップというものがあるということを
やんわりと説明してみるなど、
あなたなりの対策を考え実行しましょうね!

ばあばの善意が根底にはあることを忘れずに。
「お餅を勧めてくれてありがとう!」
その気持ちに、感謝感謝!

ですよ♪

 

マシュマロ

 

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