HISAKOブログ

稽留流産・・待機か?手術か?

ai

 

待望の第2子妊娠がわかり
笑顔いっぱいの報告に来てくれたママがいました。

おめでた報告にはいつもワクワクします。
これから過ごしていく日々を想像して
わたしも嬉しい気持ちになりました。

初診では胎嚢(赤ちゃんを包む袋)の確認ができました。
次の健診では、赤ちゃんの心拍が見えるはずでした。
が、しかるべき時期になっても、
見えるはずのものが確認できず・・・。

あと1週間経っても見えないときは
『稽留流産』と確定し、手術で子宮内を
きれいにしましょうと説明を受けました。

稽留流産とは
赤ちゃんは子宮の中にいるけれど、
心拍が確認できない状態です。

昔は、今のように超音波検査が普及していなかったので
稽留流産の診断はできませんでした。
出血と腹痛から始まり、だんだん出血量が増えて、
胎嚢が排出される『自然流産』しかありませんでした。

現在では超音波検査の精度が上がったことで
幸か不幸か、妊婦さんの自覚症状がない段階で
『稽留流産』の診断ができるようになりました。

1週間待ってみましょう。
赤ちゃんの生命力を信じて待つ7日間は、
初期妊婦にとってどんなに長い時間になることでしょうか。

ですが、
彼女は不思議なほどに冷静でした。
取り乱してもおかしくないのに、
沈んでいても当たり前なのに、
とても穏やかな笑顔でわたしに言いました。

「どんな結果になっても
運命を受け止めたいと思います。
きっと意味があって、私たち夫婦のところに
来てくれたいのちだから」

運命をありのままに受け止めると
はっきりとした口調で話す彼女の目は
まるで女神のようでした。

ですが、わたしは彼女の人柄をよく知っています。
1人目が生まれてすぐからの付き合いです。

自然に逆らうことが嫌い。
仕事にしても、夫婦関係にしても、子育てにしても。
少々遠回りでも、マイペースな生き方を
なによりも大切にするナチュラルな女性です。

余計なお世話かもしれなかったけど、
わたしは助産師として、そんな彼女に、
流産の手術を勧める気にはなれませんでした。

彼女は病院で、手術の説明しか受けませんでした。
でも実は稽留流産の場合、
妊婦には2つの選択肢から方針を選ぶことができるのです。

(選択1)自然流産が始まるのを待つ

(選択2)子宮内掻爬術を受ける

どちらの道にも、メリットデメリットがあるので、
「こっちが正解!」ということはありません。

ただ、彼女の個性を尊重したときに、
わたしは(選択1)の存在の情報提供をすることなく
医療者の価値観で(選択2)のみを説明し、
有無を言わせず手術へ誘導するのは
いかがなものかと思ったんです。

子宮には力があります。
ちゃんと子宮を収縮させて(陣痛を起こして)
胎嚢を母体から出す力を持っています。

なので、早々に手術をするのではなく、
ゆっくりと、自然に流産するのを
待つ選択もあるのです。

それは、稽留流産と診断されてから比較的すぐのこともあるし、
1ヶ月以上経ってからというケースもあります。
それでも、妊婦さんが待てるなら、
いつまででも待って大丈夫。

病院によっては、
成長の止まってしまった赤ちゃんを
いつまでも子宮内に留めておくことは
感染症のリスクが上がるからよくない、という説明をされることも
あるようですが、それはまず考えなくていいと思います。

出血や腹痛に関しても
我慢できないようなレベルでは決してありません。

自然に流産するのを待つのは、
ほんとだったら悲しいことだけど
待つ期間、けっこう冷静に
いろんなことを考えることもできたりするんです。

わたしは
稽留流産→即、手術
のパターンを2回経験していますが、
心の準備をする暇もなく手術になって気持ちが追いつかず
悲しみのどん底に突き落とされた感じがしました。

手術台に上るまで、出血があるわけでもおなかが痛いわけもないし、
もしかして、あと数日待ってたら
ミラクルで心拍が確認できたかもしれなかったのに
諦めて手術で出してしまう・・・?
心のどこかで後悔してしまう自分がいました。

もしかしたら排卵日がずれたのかもしれなかった。
もしかしたらまだ見えなかっただけで
のんびり屋さんの赤ちゃんだったのかも。
もしかしたら育ってたかもしれなかった。

なのに、その可能性を「ない」と断定して
手術という形で失ってしまったことで
現実をなかなか受け入れられずに苦しんだのを覚えています。

「待つ」か「手術」か。
どちらがいいとかではなく、
あなたの赤ちゃんだから。あなたが決めるべきなのです。

自然流産も2回経験しています。
悲しかったけど、
それでも、自分で小さな赤ちゃんを出産することができたからか、
気持ちの整理がつきました。

手術も自然流産も、痛みのレベルは
大差はありませんでした。(個人差があります)

手術台に上る恐怖、麻酔の不快感・・・
自然流産を待つ間の不安感、ソワソワした感じ・・・

どっちも優劣はつけられないというのが
わたしの感想です。

ただし、自然流産は子宮の回復は手術よりも早いです。
手術は、計画的に進められるので
不安なままひたすら待つということから解放され
日常生活に支障をきたしにくいというメリットがあります、

わたしの話を神妙に聞いていた彼女の表情が
輝きました。

「HISAKOさん!わたし、待ちたい!
自分の身体を信じてみたい!」

やっぱりね。
あなたはそう言うと思ってたよ。^ ^

さっそく、彼女はクリニックに出向き
希望を伝えました。

しかし、医師からの反応は冷たいものでした。

「いつ出てくるか予測もできないですよ?
お腹の痛みや出血量もすごいことになりますよ?
そんなリスクを冒して待つなんて、ばかげてる」

ああ~そうなんですね。
それが病院の方針なわけだ。

前向きな彼女はめげることなく、
もう一軒、婦人科を受診してみました。

するとそこの医師は、
彼女が口を開く前に
「待つこともできますよ。どうされますか?」
欲しかった言葉を投げてかけてくれたそうです。

本当に本当に、嬉しかったそうです。

そして、彼女は「その日」を待ちました。
自分の持つ力を信じて
静かに待ちました・・・。

後日、ばぶばぶに手紙が届きました。

あまりにも素敵な内容でした。
鳥肌が立ちました。

↓↓↓

流産ということで本当なら悲しいはずなのに
わたしの中でマイナスな感情は全くありませんでした。

確かに、私たちは2人目を望んでいました。
なのに、なぜ?
自問自答を繰り返していくうちに
2つの答えにたどり着きました。

1つは、
『自然に出てくるまでおなかの中にいてもらえた』

「流産=手術」だと思っていただけに
HISAKOさんから「自然に出てきてくれるまで待つ」
という方法を教えてもらった時は
目からウロコでした。

そんなことができるの?

驚きだらけでした。

そして実際に、おなかの子が出てきてくれたとき、
ただただ感動しかありませんでした。

前日の夜から腰が痛み始め、
翌朝スルンと出てきてくれたときの感触・・・
上の子が帝王切開だっただけに
初めての感覚に感動と興奮が先にきてしまって、
悲しみが吹き飛んでしまいました。

HISAKOさんに出会っていなければ
今回の妊娠で、きっと上の子は突然の断乳を余儀なくされ、
私も手術を受けてモヤモヤした日々を
過ごしていたと思います。

稽留流産だとわかったとき
HISAKOさんといっぱい話したことで
私の心の準備が整ったのかもしれません。

2つ目は
『家族の存在』です。

あの日、主人が仕事帰りに
ケーキを買ってきてくれました。

「今日は命日やけど誕生日でもあるわけやろ?」

こういう発想ができる主人と結婚して
本当に良かったと思いました。

この出来事で、さらに私の悲しい気持ちが
飛んでいってしまい、今に至ります。

上の子も保育園に機嫌よく通ってくれて
できることがどんどん増えてきました。
その姿を見て、私も前を向いて
がんばろう!と奮い立たされています。

今回の妊娠で、
主人と改めて家族のあり方について
話がたくさんできたし、
いのちの凄みを感じることができました。

良いことしか思い浮かばず
今は感謝の気持ちと晴れやかな気持ちでいっぱいです。
HISAKOさん、本当にありがとうございました!

↑↑↑

流産は、わたしたち女性にとって
決して珍しいことではありません。
どんな人にも降りかかるかもしれないできごとであり、
これもひとつの、いのちの奇跡の物語なのです。

同じような経験をされた方が
少しでも前を向けますように・・・

そんな想いを込めて、
ご本人の承諾の上、
お手紙の一部を紹介させていただきました♪

最後に

***お空に帰った赤ちゃんへ***

あなたが自然に出てきてくれたとき
ママは震えるほど感動したんだって。

なぜならそれは
紛れもなく「自然出産」だったから。

パパと一緒に小さなあなたを手のひらに
しっかりと抱くことができました。

だからこそ
あなたがおなかに宿った意味を
パパ、ママ、お兄ちゃん
みんなで見つけることができたのです。

あなたのママは、
最後まであなたに寄り添いました。
その姿は、とても美しかったよ。

そして
同じ経験をして心を痛めている人たちに
優しい灯をともすような

深く、素敵な思念を
教えてくれました。

あなたの命日であって誕生日。

あなたのおかげで
学べだことがたくさんあるのです。

来てくれて本当にありがとう!!

アーカイブ