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2019.01.25

マニュアル依存にならんといてね

「すぐネットで調べてしまうんですよね~」
「怖いことばかり書いてあるのわかってるのに、
つい見てしまう」

スマホ普及のおかげで、
いつでもどこでもリアルタイムで
簡単に情報を得ることができるようになりました。

便利だけど、情報過多になりすぎて
ネットの情報に振り回されます。

どれが正しい情報なのかの判断が難しく
逆にストレスを溜め込むケースもあって、
ママにとってはメリットもデメリットもありますね。

ネットで得た医療情報が
信頼できるものなのかを確認するには限界があります。
両極端なことが書いてあることもあって
科学的根拠を軸にして活動している助産師としては
「え〜!それ書いちゃう?」
ビックリ情報も実際たくさんあります。

間違った医療知識で子どもに対応すると
危険が伴います。

とくに産後のママのメンタルを考えると、
数多い情報の中から総合的に判断し選択する能力が
落ちているので
ネットに惑わされやすいため
注意が必要だと痛感します。

授乳しながらスマホが手放せない。
料理中もスマホ。
トイレでさえスマホ。

子どもとのふれあいの中で
ママとしての直感で「これでいいのか?」を
判断できる育児力を養ってほしいのですが、
スマホ情報に丸投げしてしまうと
目の前のわが子を観察する力がなくなってしまいます。

ネット依存には、
もれなくマニュアル依存がついてきます。

例えば、断乳。

ママのおっぱいの状態も、その時点での子どもの
おっぱいへの執着度合いも、授乳回数も、離乳食の食べっぷりも、
デリケートな子、度胸のある子など、
性格だってみんな違うのに。

断乳方法のマニュアルなんかあったところで
全く役に立たないです。

ネットで調べてそのとおりに自己流断乳をした結果
トラブルを起こしてばぶばぶに助けを求めに
来られるママも後を絶ちません。

はじめての育児、
マニュアルどおりに進めようとするあまり
壁にぶつかり戸惑い、
不安に陥るママも少なくありません。

マニュアルどおりにしているのに
うまくいかないと落ち込んだり、

マニュアル通りに育てているのに
どうしていい子にならないんだろうと自分を責めたり・・・

マニュアルは、決して悪いものではないですし、
基本原則は大切だと思います。

ただし、そのマニュアルに縛られてしまうと
かえって子育てが不安になったり
子どもと向き合えなくなってしまうことが
あることを忘れないようにしましょう。

産院では
育児の方法、例えば授乳、沐浴、おむつ交換、
あやしかたなどのスキルを教わります。

でも、これらも
基本的で一般的な方法にすぎません。

子どもはみんな違うから。

ときには基本的な方法から外れて、
オリジナルの工夫や応用力が必要なんです。
ママには柔軟性が求められるのです。

授乳は3時間ごと。
沐浴のお湯の適温は40度。
赤ちゃんの体温は36.5~37.5℃。
赤ちゃんの体重は3ヶ月で2倍。
新生児の体重増加は1日30g…

マニュアルには、
子育ての目安になる
数字がたくさん出てきます。

はじめての子育てはわからないことだらけなので
もちろん、バイブルとなる情報は
心強い味方になりますね。

でも、それらはあくまでも
理想論であり、一般論です。

同じ人間はひとりもいないように
子育てだって一律ではありません。

赤ちゃんそれぞれの個性があり、
必ずしもマニュアル通りにいかないのは当たり前のことです。

そもそも子育ては、
正解不正解の線引きがハッキリしないものです。

だからこそ、
個性に合わせて
臨機応変に方法を変えていく
柔軟さが必要なのですが、
母親としてこれでええんかなぁ?
周りと比べてふと不安になり、
ついネット情報通りに物事が
進んでいくことを
望んでしまうのかもしれません。

妊娠、出産、育児はどれも「頭」でするものではなく、
感覚、直感など「心」でするものです。

数字に翻弄されて「頭」で赤ちゃんに向き合ってしまうと、
母親が本来持っている鋭い感覚が鈍って
わが子を感じる能力が退化してしまいます。

赤ちゃんが泣いたら
とりあえず
おっぱいくわえさせたらいいのですが

多くのママたちは毎日記録している
育児日誌に目をやり、
それから時計を見て
こう言います。

「さっき、◯時に飲ませたので
空腹ではないと思います。
次の授乳まではあと1時間あるから」

でも、明らかに赤ちゃんは、
おっぱいを欲しがって
泣いているんですよ。

数字で決めつけてしまって、
赤ちゃん自身を
観察できなくなっている典型的な例です。

赤ちゃんは人間です。
生きています。
機械ではありません。

大人でも、小腹が空く日があったり、
あまり食べたくない日がありますね。
赤ちゃんだって同じです。
いつも決まって3時間ごとにおなかが空くわけじゃないし
1回に飲むおっぱいやミルクの量だって、
毎回違って当たり前です。

沐浴の温度。
わざわざ湯温計で計らなくても
熱いかぬるいかぐらい、
手を浸けてみれば
わかりませんか?

赤ちゃんの体温。
神経質に計測しなくたって、
毎日繰り返し抱っこしているママは、
赤ちゃんの体温を身体の感覚で覚えています。
もし熱があったら、抱いた瞬間に気づくはず。
おっぱいをくわえさせると、
赤ちゃんの口の中が
いつもと違う熱さであることを
一瞬にして感じ取るはずです。

赤ちゃんの体重増加。
なんとなく、プクプクしてきたという実感が
あり、
ちゃんとおむつが濡れるようであれば、
「1日に◯グラム増えてる」という
細かい数字を
知ることに何の意味があるのでしょう?

人間、中途半端に頭がいいから困ります。
ほんと、中途半端なんですよ。

もっとしっかりと賢かったら、
マニュアルに
自分と赤ちゃんを当てはめて、
いちいち
一喜一憂することもないでしょうに。

数字で子育てをしないでね。
頭ではなく、
心と身体で感じる子育てをしましょうね。

「わたし中途半端かもしれない」
そう思ったら、
いっそのことスマホを封印してしまいましょう!
育児日誌も手放して
時計を見ることさえ、やめてしまえー!

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