HISAKOブログHISAKOブログ
2018.04.03

東洋医学的にどうなんでしょうか?

生後5ヶ月の男児です。
現在の体重は7700g。完全母乳。
とても元気に育っています。

ある整体院の先生に、
この赤ちゃんについて指摘を受けたそうです。


・おなかを揺らして、
「 この子ガスが溜まってる。かわいそうに、ポコポコ言ってるのわかる?」

・おなかに溜まっているガスが抜けると気持ち悪いから
またおなかに空気を入れようとして指しゃぶりをするんだよ。

・ほっぺたが硬い。これは口をちゃんと使えていないから。
鼻づまりにも関係がある。

・よくのけ反るのは、鼻づまりがあって空気が入らないから。
のけ反ることで口から空気を入れている。

——————————————————————————————

順調に育っていると思っていただけに、
ママの頭の中はハテナだらけになりました。
これまで乳児健診でも健康上の指摘を受けたことはなかったけど
「かわいそう」と言われると、

ゲップをちゃんと出してあげていないからかな?
母乳の質が悪いのかな?
赤ちゃんの口腔内、耳鼻科系の機能に問題があるのかな?
腸内環境に困った事情があるのかな?

こんなこと言われたのは初めてで、
いろいろ考えて不安になります・・・ということでした。

助産師的視点から見ると

ガスが溜まっているとき特有の不機嫌や便秘、哺乳力低下はありません。
赤ちゃんのおなかを触ってみましたが、
硬結している箇所は見受けられず
暖かく柔軟性があって健康だと感じました。

ほっぺたの硬さは、
毎日力強くおっぱいを飲むことで、顎と、その周囲の筋肉が
発達してきている所見だと思います。
だから「硬い」っていう表現より、「ハリ」が適切では?と思いました。
これぞ若さです!
羨ましい限り!!

指しゃぶりは
発達段階として、5ヶ月児には当然見受けられます。
睡眠障害や哺乳障害もありません。
体重もしっかり増えています。
中耳炎、副鼻腔炎、アデノイド肥大等の所見もありません。
よって、鼻呼吸に問題はなく、
鼻づまりと指しゃぶりを関連させるのには無理があるのでは?
と思いました。

のけ反るのは、寝返ろうと頑張っているんじゃないのかな?
そろそろ満腹中枢もできあがり、
意思表示もハッキリしてきて、気に入らない時や
眠い時はのけぞって大抵抗するのが赤ちゃんというものでは?

でも、わたしは東洋医学は詳しくありません。
その整体師さんがどのような根拠をもとに
そのような指摘をされたのかがわかりませんでした。

なので、ママに助産師視点からの見解は説明できるものの、
指摘の本質については何も言ってあげられず・・・
歯がゆい気持ちでした。

いつもブログで話しているように、身体を診る専門家にも
さまざまな職種が存在します。
立場や資格が違えば、着目点も違うものです。

西洋医学、東洋医学、
診る視点が異なる専門家がみんなで力を合わせたら
最強!って思います。

だから、どちらのとらえどころにも意識を向けて、
それぞれのいいトコ取りで、
偏ることなく子育てを支援して行きたいと思っています。

自分の専門外の、わからないことを
そのままにしておくことにわたしは耐えられませんでした。

というわけで!

ばぶばぶのママたちが、
産前産後の骨盤調整や身体作りなどで
いつもお世話になっている『大有堂鍼灸接骨院』

鍼灸師・柔道整復師・抱っこひもアドバイザーの上市院長に
わたしの疑問を突撃ぶつけてみました!

上市先生の見解は以下です。

↓↓↓

まず

1.整体師は医療の国家資格社ではありません 。
解剖・生理・病理などの基礎的な医学知識を
修めていない可能性があります。

2.東洋医学は主に漢方薬を処方する医師・薬剤師・
または鍼灸師が治療の根拠に用いることが多い理論です。
伝統医学として西洋医学とは異なる視点ですが、
望診・聞診・問診・切診など、基礎となる診法があります。

結論から申し上げますと

「所見と解釈がかみ合っていないので気にしないで!」

by ママの味方 大有堂鍼灸整骨院

整体師の先生の指摘について

・この方が診たと気にはポコポコおなかが鳴ったのかもしれない。
(時間とともに状況は変わるので意見は否定できない)
・東洋医学的な所見の取り方ではない
・解釈の整合性がない

具体的に検討してみます。

・おなかを揺らして
「この子ガスが溜まってる。かわいそうに。
ポコポコ言ってるのわかる?」

→腹診について
おなかの温度や湿り気、押した時の反応をみます。
ガスが溜まっているかどうかは、
西洋医学的な叩打法で位置を変えながら
鼓音を確認しますよね。
おなかを揺らしても、多数の臓器ごと内容物がタプタプするだけで
意味ないやん!!

・おなかに溜まっているガスが抜けると気持ち悪いから
またおなかに空気を入れようとして指しゃぶりをするんだよ。

→ガスが溜まってかわいそうな状態(確かに不機嫌にもなりますね)
から、ガスが抜けたら苦痛は解消されるはず。
ところが「気持ち悪いからまたおなかに空気を入れようとする」
この点に不整合があります。
なお、指しゃぶりは月齢から出っ歯への影響は少なく
OKだと思っています。

・ほっぺたが硬い。これは口をちゃんと使えていないから。
鼻づまりにも関係がある。

→望診。お顔の様子、表情や赤みのある場所で
トラブルを推測します。
吹き出物ができる場所でトラブルの要因を推測される先生もおられますが、
「 ほっぺたの硬さ」は初めて聞きました。
吸啜に関してはHISAKOさんの専門領域で、
助産師さんが睡眠障害や哺乳障害がないと判断して
鼻呼吸もOKなら、ほっぺたが硬かろうと問題ないのではないでしょうか。

・よくのけ反るのは、鼻づまりがあって空気が入らないから。
のけ反ることで口から空気を入れている。

→口呼吸で顎が上がることは考えられますが
のけ反る利点が見当たりません。
のけ反ることについては、ぐずりなど小児ばりの適用として
東洋医学的な切り口で説明したいところですが、
鼻づまりが原因とみるのであれば、耳鼻咽喉科などで
吸ってもらうのが一般的な解決策かと考えます。

まとめ(冷静な意見)
・この整体師の先生から東洋医学的な所見の取り方は
見受けられません。

・西洋医学的所見と、病理解釈に整合性がなく
説明に納得できない点があります。

・HISAKOさんの助産師的視点で
「とても元気に育っています」と判断されておられるのなら
まったく問題はないと思います。

・それでもママの心配が晴れないのであれば
小児科医の診察を受けていただいて
疑念を解消していただきたいと思います。

上市の想い(感情的な意見)
・東洋医学でも西洋医学でもない、
独自の視点でアドバイスしていると思われます。

・子育てに不安はつきものだが、
ママを不用意に不安がらせてはいけない。
多様な価値観で医療的サービスの提供があってもよいと思うけれども、
解剖・生理・病理に関する基礎的な知識が
備わっていないように見受けられる説明に
強い憤りを感じます。

・経験豊かな助産師であるHISAKOさんが
OKを出しているのであれば大丈夫!

・小児科医に打ち明けてみてください。
そして整体師、コテンパンに打ち砕かれてしまえ!

HISAKOさんの笑顔のアドバイスの根底には
死産や流産、突然死など
極めて辛く厳しい状況の方々に寄り添ってきた経験と実績、
医療の国家資格をパスしてきた豊富な知識からの
総合的な判断があり、なおかつ相談者のパーソナリティを
加味して受け取りやすいように工夫を凝らした
回答をされておられるとお見受けしております。

実は僕自身も、
治療家の集まりで「膵臓が悪いね」と指摘されて悩み
人間ドックに駆け込んで腫瘍マーカーや様々な検査を受けて
異常なしと結果が出るまで不安な日々を過ごしたことが
あります。

このような経験から当院では、
子育てママの不安や辛さを少しでも解消したいと考え
正確な情報を提供し、疑問があれな専門医の診察を
勧めています。

これからもお力になりたいと考えていますので
どうぞお気軽にご連絡ください。


大有堂鍼灸接骨院はわたしが安心してママたちを
送り込める癒しの場所です。

上市先生のアセスメント力はさすがだと思いました。
すべて、ウンウン頷ける判断で
モヤモヤしていたものがすっかりクリアになりました!

あ〜スッキリしたわ!!

助産院と鍼灸接骨院、
違う分野だけど、願いは一つです。

「悩めるママさんを心底から応援できる場所でありたい!」

これからもママを笑顔にするために
力を合わせます♪

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