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2019.04.26

赤ちゃんにお白湯はいりません

生後1ヶ月の赤ちゃんが来院されました。

新生児期には母乳とミルクの混合栄養で、
すくすく育っていました。

ですが、最近、
急にミルクの飲みが悪くなり、
おっぱいの間隔も開いて
体重の増え方がストップしてしまいました。

それと同時に、
下痢をするようになったとのことで
相談に来られました。

ミルクの飲みが悪くなったことから推測できるのは
母乳の分泌量が増えて、
1回の授乳でしっかり飲めるようになった可能性。

ですが、体重増加の停滞を加味すると
適切に母乳が飲めているとは考えにくく

さらにミルクもあまり飲まずに
下痢をしているとなると
なんらかの感染症や疾患の可能性を考えました。

これは
小児科受診適応か・・・?

さらにお話を聞いていくと
理由がわかりました!!

新緑の季節、暑くなってきたので
赤ちゃんにも十分な水分補給が必要だと考え、
母乳ミルク以外に
お白湯を飲ませていたらしいのです。

よく、「赤ちゃんにお白湯を!」
って言いますよね。

年配者はとくに、
お風呂上がりやお散歩のあと、
おっぱいミルクではなく、お白湯や麦茶を与えるべきだと
アドバイスしてくださいます。

「夏は麦茶でしょ」
「いつもおっぱいじゃ喉の渇きは潤せない」
「お風呂上がりは湯冷ましをあげなさい」

大人は食事以外にもお茶やお水を飲むから、
同じように赤ちゃんも食事(母乳やミルク)以外の
水分補給が必要という思い込みがあるのかもしれません。

GWには日中、暑いぐらいの日もあります。
大人も喉が乾きます。
だからこそ、これからの季節の赤ちゃんの水分補給は
とても気になるところだと思います。

赤ちゃんの身体は大人に比べて
水分が占める割合がとても高いです。
さらに身体が小さいので
ちょっとしたことですぐに脱水になってしまいます。
なので、赤ちゃんにとって水分補給は必須。
それは昔も今も変わらぬ事実です。

わたしが第一子を産んだ20年前は
赤ちゃんに母乳やミルク以外のものを飲ませて
水分補給させるのは一般的でした。

ですが、今では
育児の常識は大きく変わりました。

熱中症・脱水予防のためには
意識的な頻回授乳が基本です。

母乳は88%が水分でできています。
そしてわたしたち人間は
母乳で赤ちゃんを育てる生きもの。
つまり哺乳類です。

哺乳類は、その名のとおり、
母乳やミルクで必要なエネルギーや栄養分を
まかなえるように仕組まれているのです。

日本のような温暖な気候で育つ赤ちゃんだけではなく、
亜熱帯の気温の高い国で育つ赤ちゃんでさえ
母乳やミルク以外の水分を補給しないと
脱水になるというデータはなく、
WHOによると、
離乳食が始まる生後6ヶ月までは、どんな環境に育つ赤ちゃんでも
例外なく母乳ミルクだけで十分、
他には何も与えるべきではないとしています。

赤ちゃんの胃はまだ小さいので
母乳ミルク以外の飲み物をむやみに与えると
そのぶん、母乳ミルクを飲む量が減ってしまいます。

汗をかいたときに失われるのは
水分だけじゃなく
ナトリウムやカリウムなどのミネラル分です。

だから、暑い時期はとくに
お白湯を与えるのではなく
失われたミネラルをそのままそっくり補充できる
母乳ミルクが理にかなっているのです。

また、腎機能も未熟です。
ミネラル分を含まない水分補給をすると
大人のようにおしっこを濃くしたり
薄くしたりで調節することができずに
余分な水分をうんちやおしっこで
どんどん排出してしまうこともあるのです。
これが下痢を誘発するひとつの理由。

また、おっぱいの量が減れば
からだの発育に必要な栄養分や身体を守る免疫物質が
足りなくなるリスクも出てきます。
これが下痢を誘発するふたつめの理由。

ママが喉が渇いたな〜と思ったら
赤ちゃんも同じかもしれないので
そんなタイミングでためらわずにおっぱいを飲ませましょう!

生後1ヶ月の赤ちゃんには、
母乳ミルク以外の水分補給を
中止してもらいました。

その結果、下痢もおさまり
母乳ミルクしっかり飲めるようになり
ふたたび体重が増え始めたのでした。

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