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2018.11.07

(3)『産後うつ』パパの理解 全5回シリーズ

産後すぐから起こる軽度の生理的うつ状態である
『マタニティーブルーズ』の時期に
「辛い」「助けて」を発信できず放置され、

そのまま症状が強くなっていき
病的なうつ状態の『産後うつ』に移行してしまったあと
どうにもならなくなって
ばぶばぶに駆け込んでこられるママがいます。

つらかっただろうに、
ずっと1人で悩んでいたんだね・・・
もう少し早く助けを求めに来てくれたら
よかったのに・・・

産後数ヶ月たって、
身も心もボロボロになってしまったママを前に
いたたまれない気持ちになります。

産後のサポートを求めるために
行動を起こしたり、外出することは
生まれたての赤ちゃんを連れてカフェに行ったり、
ショッピングモールに遊びに行くのとは
わけが違います。

でも、

「出産後、最低でも1ヶ月間は
赤ちゃんを家の外に出すべきではない」

「産後は身体を休める時期だから
ママも家から出るべきではない」

そんなふうに思い込んでいる人、
または家族から言われて動けない人が
案外多いように思います。

『産後1ヶ月までは外出を避ける』
の意味を履き違えて理解してしまうと

ママはしかるべきときに適切なサポートを
受けることができないまま、
苦しい局面に1人孤独に悩み続け
神経をすり減らす状況を強いられることに
なってしまいます。

人は誰も
誰かに支えられたり、応援してもらったり、
ゆとりのあるときは逆に誰かに手を差し伸べたり、
持ちつ持たれつ心身の健康を保っていますよね。

人の優しさって、
心がグラグラのときはとくに身にしみます。
ありがたいなぁって思います。

わたしたちは、自分ひとりを保つだけでも、
人との関わりを絶ってはとても生きていけないのに

さらに子どもを育てるという大仕事をするにあたり、
ひとりで抱え込んだところで、
絶対に対応しきれません。

妊娠中から、産後に予測されるママの心身の変化、
そして産後サポートの重要性を
夫婦揃ってきちんと理解し、

必要に迫られたときに速やかに対処できる
準備ができていたら

どれだけたくさんのママたちを
産後うつを発症する前段階で食い止め、
助け出すことができるでしょうか。

ママの心身が辛いときに受ける産後サポートは、
病気をしたときに早急に病院に行くのと
同じレベルで考えてほしいです。

例えば、子どもが病気になって受診の必要があるときに、
「天気が悪いから行かない」
「他に予定があるから行けない」
にはなりませんよね。

悪天候を押しても、
予定を変更してでも、
受診を最優先すると思います。

母乳育児に関してもそう。
思うようにできず悩みすぎて頭がおかしくなりそうなのに、
家から出たらいけないとの思い込みや、
ママなんだから弱音を吐いてはいけないという先入観から、
誰にも「助けてほしい」「もう限界」と言えない状況は
どう考えてもおかしいです。

赤ちゃんにとっては、
母乳やミルクは命綱ですよね。
出生後数日の赤ちゃん、産後すぐのママ、
外出するのがしんどい時期であっても
優先項目へのサポートは積極的に受けるべきだと思います。

家庭の中では、産後のママの心と身体を
もっとも理解してもらいたいのは
やっぱりパパです。

ママの不調に気づいても
正しい理解がなされていないと、
「神経質すぎる」
「出産してからママの人格が変わってしまった」
と軽く片付けてしまうパパも多いです。

ときにはパパにまでうつ状態が感染してしまう
ケースもあります。

産後うつへの知識不足は

「産後だからしかたがない」
「僕だって仕事でたいへんなのに」
「こんなに心配しているのに何が気に入らないんだ」
「ママになったんだからがんばってもらわないと」

などの
誤解や批難につながりかねません。

単純なことだけど、家族や身近な人が
ママのがんばりを認めて支えること・・・
話を聞いて共感することが、
彼女を救う最大の良薬になるのです。

精神科に行けば、
症状の程度によって医学的に必要だと判断されたときには
授乳を続行しながらでも内服できる
効き目の緩やかな抗うつ剤や抗不安薬を処方して
もらえる場合もあります。

でも、やっぱり授乳中だと薬に抵抗がある・・・
というママには、漢方で様子を見ることもあるし、

本人がどうしていきたいか?
気持ちを尊重しながら
産後うつの治療は進んでいきます。

まだ産後うつまでは移行していない
マタニティーブルーズの段階なら、

ママの話を聞いてくれて
家族やパパの気持ちにも寄り添って
大きな懐で抱きしめてくれる
保健師や助産師、臨床心理士などの専門家による
手厚いケアが産後うつの発症を食い止めます。

本当は専門家のサポートを
必要としなくていいような、
昔の大家族のようなスタイルが理想ですが、

今の世の中、
都市部ではとくに核家族化が進んでいます。

隣近所との希薄な関係性のなかで
まさか家事や育児のお手伝いを
お願いできるはずもありませんね。

パパの帰りも遅く、実家にも頼れず、
夫婦の会話の時間さえ十分に確保できない中での
たったひとりの子育ては、
孤独と不安以外生まないだろうと思います。

だからこそ、地域で活動する助産師を
もっと頼ってほしいです。

産後うつに苦しむママ本人だけじゃなく
それを支えるパパにも、

産後サポートをしてくれる場所は
いろんなところに点在してるんだよってことを
もっと知ってほしいです。

そしてパパ自身が、妊娠中から
産後のママの心身にどんな変化があるのか。
そのとき自分は何ができるのか。
事前に知識を入れておくことは必須だし、
ママの一番の理解者であってほしいです。

パパはパパなりに努力しているかもしれないけど、
ママにその善意が伝わらなければ
意味がないですから、

どんな声かけが産後のママの心を癒すのか、
どんな行動が産後のママの気持ちを楽にするのか、
ママの心理を、産前に学習しておくといいですね。

両親教室などもさまざまなところで開催されていますが、

赤ちゃんのお風呂の入れ方や
ミルクの作り方、
赤ちゃんのために必要な物品

そんなことは、
もらった冊子に書いてあります。
読めばわかります。

本当に学ぶべきことは、もっと深いことです。
でも残念ながら、両親教室のような場面では
もっとも学習すべきことが抜けています。

妊娠前の夫婦関係は、表面上の関係であり、
まやかしだとも言われます。
子どもが生まれたあとこそ
その夫婦の関係性の本質が現れ
2人のお互いを想う気持ちが問われます。

どうして?
こんなはずじゃなかったのに・・・

すれ違い、価値観の相違に愕然とし、
ただでさえホルモン状態がグラグラのママは、
みるみるうちに心を病んでいくことになります。

夫婦とは、
もっとも身近だからこそ、
もっとも難しい関係なのかもしれません。

産後のたいへんさは、
どんなに理解しようとしても、
お産も、授乳も、ホルモンの変化も、
経験しようにもできないパパに
その光と陰の真実はとうてい理解しきれないでしょう。

パパと話し合おう、周囲は理解を、と言っても、
命がけのママにはきれいごとに思えるかもしれません。

それでも、
産後の今だからこそ、
夫婦で力を合わせなければいけません。
ママを信頼し、パパを尊敬する気持ちを
思い出してほしいと思います。

たくさん話して、思っていることをぶつけて、
自分の本当の気持ちに正直に、
ママがパパに、話してみようと思えるような
心遣いができれば最高です。

ママの真髄はわからなくとも、
がんばっている彼女のことを認め、
肯定し、共感する姿勢を見せてくれるだけでも
産後うつの発症は抑えられるのです。

パパの力は偉大です!

今こそ産後のママに、
ありったけの愛をお願いします!

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