HISAKOブログ

コロナ感染防止対策と出産現場のリアルな声(1)

Co - コロナ感染防止対策と出産現場のリアルな声(1)

「コロナ禍の中でみんながんばっているから」
「辛いのはわたしだけじゃないから」

2020年10月
第12子・予定帝王切開のため
周産期センター入院中
同じく入院中の複数の妊婦さん、産後のママたちから
何度も聞いた言葉です。

コロナの影響で
産後うつの可能性のあるママが以前の2倍以上に
増えており、深刻な状況にあるという
〝衝撃の〟調査結果が明らかになったと
報じられていますが

衝撃?

産前産後の女性のメンタルを
周産期医療に携わる立場として総合的に考えたとき
コロナによる制限だらけの入院生活や出産が
もたらす多大な弊害は、容易に予測できるはずです。

〝当然〟ともいえる結果に
〝衝撃〟を受ける社会に対して
わたしは衝撃を受けています。

切迫早産、妊娠糖尿病、多胎妊娠、前置胎盤、
妊娠高血圧症候群などママ側のトラブル

先天的な病気や症候群など
赤ちゃん側のトラブル

そして、無事に生まれたけど
問題が起きてNICU入院中の赤ちゃんたちの
ママの不安はいかほどか・・・

コロナ禍で外界と完全に遮断された
周産期センターという狭い空間の中で

本音、弱音を吐ける相手もおらず、
周囲に気を遣いつつ
たったひとりでさまざまな不安や
大きなストレスを抱えながら日々を送っている
患者さんたちのメンタルは
いつ崩れ落ちてもおかしくない状況です。

トラブルがなく経過順調だったとしても
ただでさえ妊娠中は、

思うように動かない身体、
予想外の疲れやすさ、

行動そのものに制限が出たり
不快な症状が次々現れて
心身ともに不安定になりやすい弱い立場の数ヶ月です。

ましてや、
おなかに宿したもうひとつの小さな命を
妊婦の努力でどうにかできることでもない
トラブルの中、守っていかなければならないプレッシャーは
本当に大きなものです。

わたしが入院中に出会った
29wの双子妊婦さんは
涙ぐみながらこんなふうに話してくださいました。

「1日も長く、
この子たちをおなかの中で育てなくちゃって思う。
そのために私ができることは
とにかくこの環境に耐えること。
笑顔でいよう、強くあろうと思うけど
家で待ってる上の子のことも心配で
パパの負担も気になって・・・

でも、いくら気を揉んだところで
なんにもできない自分の無力さに
虚しさが募るばかりです。

日中は気を張って
がんばっているつもりだけど

夜になるとふと孤独が襲ってきて
消灯後に声を殺して
泣いてしまうこともあるんです。

せめて旦那や子どもと自由に会えたらいいけど
家族から強制的に引き離されることが
なによりも辛く悲しい・・・」

妊娠期の入院は、
必ず終わりがあるのだけど

思いがけず入院を余儀なくされた妊婦の心は
不安、心配、無力感、孤独で
押し潰されそうになります。

コロナ感染予防対策のために
周産期センター病棟内には患者本人しか
入れません。

とくに免疫力の弱い病気の赤ちゃんや
未熟児ちゃんたちも入院するNICUが併設される医療施設では
一般的な産院以上にコロナ対策は厳重です。

妊婦の夫さえ、
赤ちゃんのパパでさえ
面会は一切禁止です。

そしていったん入院した患者は
いくら状態が落ち着いていても
いかなる理由があろうとも
外出も外泊も許可されません。

いったん外に出たタイミングで
コロナウイルス感染するかもしれないから。

ウイルス持ち込みを防ぐために
退院するその日まで、
病棟外に出ることを許されないってことなんですが・・・

周産期センター勤務のスタッフは
勤務が終われば家に帰りますよね。

家族とどこかに遊びに行くこともありますよね。
どこかで感染して、気づかないまま
勤務を続ける可能性だってありますよね。

スタッフは帰っていいけど
患者はダメ・・・
夫の面会もだめ・・・

うーん、なんか釈然としません。

売店は病棟の外にあります。
自販機さえも病棟内にはないので
自分で飲み物を買いにいくことすらできませんでした。

食事のときにマイコップに温かいお茶を
入れてもらう以外

喉が乾いても次の食事時間まで
我慢するしかなくて

どうしても・・・ということなら
スタッフにお金を渡して病棟外の自販機で
買ってきてもらえるようでしたが、

ただでさえ日々の業務に追われ
忙しいのがわかるだけに
患者さんは頼みづらいに決まってます。

人間らしい生活の確保
基本的人権ってなんだろう?って

入院していた3週間
改めて考えさせられました。

毎日検温やモニターで部屋に来る
助産師の一挙一動にも一喜一憂します。

大部屋では音を立てないよう、
いちいち気を遣います。

シャワーだって、洗濯だって、
共用なので、
決して自由ではありません。

ベッドは固くてあちこち痛くなるし
隣のベッドの人のいびきも気になるし。

些細なことの積み重ねが
地味にストレスで

そんな状況に輪をかけて
旦那にも、上の子にも、
家族の誰にも会えないまま、

あれもダメでこれもダメで
入院期間が長ければ長いほど
退院の日まで制限だらけの孤独な毎日を
送らなければならないっていうのは
人間としての自尊心が傷つけられます。

窓の外を見て、なんてことない景色が
すごく美しく見えました。

澄み渡った空、そこに浮かぶ雲、
風にそよそよ揺れる木々の葉っぱとか。

いろんな制限がかかっているからこそ
日々のなんてことない景色が美しいし、
なんてことないことが幸せだって気づいて
ホロリと涙がこぼれたりしました。

周産期センターでの通常分娩。
もしかしたら産婦が
コロナに感染しているかもしれないという
リスクヘッジの観点から

分娩介助のスタッフは
マスクにフェイスシールドで
万が一のときに
濃密接触者にならないよう厳重な体制で臨みます。

夫の立ち合いはもちろんNG。
院内待機はおろか、

「来てもらってもどうせ会えないので」

という理由で
病院から推奨されるのは自宅待機です。

そんなこと言われても
妻が命がけで出産しているときに
自宅で待っていられる夫は
少ないんじゃないでしょうか。

わが子が生まれるという
人生の大きな節目に
参加することを許されない・・・

しかもその決定権を他人に握られているなんて
いったいどういうことでしょう。

落ち着かないですよ。
じっとしていられません。

パパは事務的に
「生まれました」の電話をもらうだけ。

退院の日を迎えるまで
妻にもわが子にも、ひと目も会えないという
究極の制限下です。

百歩譲って
立ち合い分娩が不可だったとしても

せめて無事に生まれたあと
たとえ数分でもいいから
赤ちゃんを見せてあげられないのでしょうか。
妻との時間を確保できないのでしょうか。

赤ちゃんのパパなのに!
産婦の夫、パートナーなのに!

こんなんぜったいおかしい!

わたしたち大人の5日間は
何も変わらないけど、

生まれて5日目までの赤ちゃんは
どんどん変化します。

生まれた当日の赤ちゃんは
胎内から外の世界に出てきたのを物語るような
独特のふにゃふにゃ感があり、

胎内生活から外の世界へと、
呼吸、循環、体温、哺乳、排泄・・・
自力で生きていくすべてを適応させていく
激動の変化を遂げていきます。

生まれて3日も経てば
赤ちゃんはすっかり外の世界に適応し
顔のむくみも取れて見た目もすっきりしてきます。

4日目の赤ちゃんは
程度の個人差はあれど
生理的黄疸が出て黄色くなり
海苔の佃煮みたいな胎便も出し尽くして、
いよいよ飲んだ母乳やミルクを消化吸収し、
排泄する顆粒の混じった黄色い移行便へと
変わってきます。

みずみずしかったへその緒も
乾燥してひからびて

生まれた翌日には
たった10cc程度しか飲めなかったミルクも
退院の頃には1回に60ccぐらい
飲めるようになります。

こんなにもいろんなことが
劇的に変化していく人生最初の5日間を
パパはまったく味わうことができない・・・
取り残されてしまうわけです。

がんばったママをねぎらうこともできない・・・

産んだママは、わが子の実感があるだろうし、
「かわいい」という感情が
比較的早期に湧き上がってくるかもしれないけど

パパはどうでしょうか・・・

だんだんおなかが大きくなっていくママの姿は
見てきているはずだけど
自分が妊娠していたわけでもなければ
産んでもいない。

そもそもパパは、
ママに比べて実感を持つまでに
時間がかかります。

MARKいわく、
4歳のととちゃんに対しては
かわいすぎるし愛おしすぎるそうですが、

生まれたばかりのねねちゃんに対しては
まったく実感がない・・・
かわいくないわけじゃないねんけど
ごめん  ←謝られてもね~!(^◇^;)

きっと4年後には、
ととに感じているのと同じように
大事すぎる~♡と言ってるのでしょうけど

産後すぐにそんなこと言われたら
わたしとしてはモヤっとしますよね^^;

正直すぎるねん、MARK。
産後のママに対してパパがそんな本音言ったら、
世の中のママたち、ひどい、寂しいって
泣いちゃうと思います。
クライシスに向かって一直線やわ!!

でも、
パパとママ、温度差があるのは
ごくあたりまえなことであって、

だからこそ、
立ち合い分娩には意味があるんだし、
産後入院中の面会だって

パパの『わが子スイッチ』
パパの『妻に寄り添おうスイッチ』を

スムーズに入れるために

どんなことより優先的に
価値があることだと思うのです。

コロナ感染予防対策が大事なのは
わかります。

でも、
そればかりがクローズアップされて
産前産後のママたちのメンタル、
その後、始まる子育てにまつわる夫婦の関係

『コロナ感染対策>産前産後』

産前産後をないがしろにされたら
ほんとに困ります!

コロナ対策同レベルに
パパの立ち合い、面会は
産前産後のママたちには必須なんですよ。

不安定なママの心を癒すのは
パパの役目であり、上の子の役目であり、
実母であり、家族です。

ホルモンの激変を伴う不安定な時期を
いかに心許す家族に寄り添ってもらえるかで
マタニティーブルーズを産後うつに
移行させずに済むのです。

つづく

 

 

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