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2018.12.27

病院処方の保湿剤・保湿薬

年末になり、いよいよインフルエンザもちらほら、
空気が乾燥することで流行するウイルス感染症の話を
耳にする機会が増えてきました。

今日来院された2歳の男の子は、12月後半
まさかのA型・B型同時感染!

まぁ、2型同時に罹ったからといって、
症状が重篤化するわけではありません。

いいように考えれば、
一気に両方終わって今シーズンはもう安心♪
ですね。^ ^

さてさて乾燥の季節は
子どもの肌のトラブルが激増します。

かゆそうにしている姿はかわいそうで
なんとかしてあげたいと思いますよね。

かきむしって、じゅくじゅくになり
黄色い浸出液が出たり
血が出ているときなど、もう見ていられません。

小児科、皮膚科を受診すると
適切な保湿剤や保湿薬を処方してもらえますが、

似たようなものがたくさんあって、
何がどう違うのか、
どういう理由で、その保湿剤が選ばれたのか?
よくわからないまま使っている人も
多いのではないでしょうか。

例えば同じ成分の解熱鎮痛剤でも、
粉、シロップ、錠剤など
さまざまな形状のものがありますよね。

薬の成分が体内に入ったとき、
どのタイミングで吸収してほしいか、
また、年齢などを考慮した上で
最適な形状の薬が処方されます。

保湿剤も、同じ成分のものでも、
軟膏、クリーム、ゲル、乳液、ローションなど
いろいろなタイプの形状があり、
それぞれに特徴があります。

保湿剤・保湿薬なら
なんでもいいというわけではないのです。

病院で処方されたものは市販のものより
効くようなイメージがあるかもしれませんが、
保湿剤は、「何を」選ぶかよりも、「どんなタイプを」選ぶかが
カギになります。

最適な効果を得るためには
肌の状態によって適したタイプが変わります。

軟膏、クリーム、ゲル、乳液、ローション、
タイプが異なれば成分の吸収力が違ってくるため、

身体のどこに塗るのか?
塗る人の年齢は?
季節は?

それらを総合的に考えて、
どんなタイプのものを処方するかが検討されます。

もっとも水分と油分のバランスがよく、
ベタベタした油っぽい保湿です。
副作用が少なく、ゆるやかな効果が長く続きます。
ベタベタするのが苦手だという人も多いですが、
どんな状態の肌にも使えます。

軟膏同様に効果は長いですが即効性はありません。
じゅくじゅくしているところには使えません。

さらっとしているので塗り心地はいいです。
乾燥しやすいので軟膏のような長い効果は期待できません。
短時間のうちに成分が肌の内部へと吸収されるので
短時間集中型で強い効果が期待できます。
傷のある肌には使えません。

ある赤ちゃんは、この夏、
乳児湿疹が出て小児科を受診しました。
保湿剤として軟膏が処方されました。
塗っていると、よくなるどころか身体のあちこちが
真っ赤になってしまいました。

なぜだと思いますか?

肌を保護する軟膏のせいであせもができてしまったのです。
同じ保湿剤で、軟膏タイプからローションタイプに切り替えたら
肌はすぐに綺麗になりました。

汗をかく場所に、軟膏は適していません。
赤ちゃんは新陳代謝が活発で汗をよくかきます。
なので、ベタベタする軟膏を使うと、どうしてもあせもが
できてしまいます。

赤ちゃんには一般的に
さらっとしたローションを使うことが多いですが、
例えば乾燥がひどい冬、
季節的な要因が加わって、かゆみを伴うひどい乾燥肌になってしまうと
かきむしって傷になります。

傷のある肌は、バリア機能が明らかに低下して
弱い肌になっています。
このような肌に使う保湿剤は、
蒸発しやすく、強い効果の出るローションは刺激が強すぎて
不向きになります。

選ぶなら、刺激が少なく、じわじわと効果が長持ちする
軟膏やクリームかな。

以下に、
病院で処方される保湿剤・保湿薬・ストロイド薬。
ポピュラーなものをご紹介していきたいと思います。

まずは保湿剤。

「ヒルドイド」「ビーソフテン」「ヘパリン類似物質クリーム」

小児科や皮膚科でもらえる代表的な保湿剤です。
クリーム、軟膏、ローション、フォーム
いろいろなタイプがあります。

ヒルドイドは、血行を促進、血液を固まりにくくする作用があり、
皮膚の再生を促し、肌の内側から新陳代謝を促し
炎症を鎮める働きがあり、
肌の深いところまで届いて水分をしっかりと蓄えてくれるので
保湿効果が高く、塗った直後から潤います。

量の目安は、塗った部位がテカっと光り、ティッシュが付着して
落ちない程度が適量です。

出血している部分や粘膜、ジュクジュクしたところは禁忌です。
こういう部位は、吸収率があがり
刺激で悪化の可能性もあるからです。

また、顔の湿疹に使いたい場合も注意したほうがいいかもしれません。
顔の皮膚はとても薄いので炎症が強ければ
ローションタイプは逆に赤みを誘発してしまう可能性があります。

吸収の穏やかな軟膏にしてみて、改善しないようなら
ひとまずワセリンなど、内部に吸収しない保湿剤で
様子をみるか、病院で抗炎症剤、抗生物質、ステロイドを
処方してもらったほうがいいかもしれません。

「プロペト」「ワセリン」「サンホワイト」「亜鉛華軟膏」

石油を精製してできる油脂(白色ワセリン)を主成分とした保湿剤です。
白色ワセリンはドラッグストアでも購入できますが、
プロペトは、ワセリンの不純物を精製してさらに純度を高くしたもので、
病院処方です。
ワセリン、プロペトより、さらに純度が高いのがサンホワイト。

これらは、塗ったときにベタベタ感があり、
保湿剤というより、保護剤というイメージ。
肌の表面に薄い膜を作ってフタをすることで水分の蒸発を防ぎます。
プロペト自体が肌に水分を与えるわけではありません。
子どもの身体から自然に出てくる水分を外へ逃さないように
するためのものです。

皮膚のなかへは浸透しないので、刺激を与えるリスクはとても低く、
炎症がある状態でも使えます。
おむつかぶれでは、よく亜鉛華軟膏が処方されます。
ですが、亜鉛華軟膏でよくならない場合は
カンジダなどの真菌感染の可能性ががあるので、
再受診しましょう。(抗真菌薬でよくなるはずです)

肌の細胞に必要なのは水分です。
水分は、油分でフタをしないとすぐに蒸発してしまいます。
また、油分だけでも保湿にはなりません。

ワセリンやプロペトで十分に保湿できないほどの
カサカサの乾燥肌のときは、
皮膚内部の水分量自体が少ないと思われるので、
周囲の水分を集めてしっかり肌の内部に
浸透させてくれるヒルドイドのほうが適しているかもしれません。

ヒルドイドで水分を肌の中に浸透させ、
その上からワセリンやプロペトで蓋をする、という
2段階ダブル使いも、おすすめです。
(ただし、ジュクジュクしているときはヒルドイドは
使わないほうがいいと思います)


以下は、保湿薬。

抗炎症や抗アレルギーなど
かゆみ止めや、軽度の皮膚疾患に軟膏として処方される非ステロイド軟膏。
植物性成分を材料にした優しい保湿薬なので
安全性が高く赤ちゃんの肌にも使えます。

非ステロイド軟膏。アズノールとともに効果は緩やかなので
ときにステロイド薬と併用します。


以下はステロイド薬。

肌の炎症を抑えるステロイド薬です。
おむつかぶれ、湿疹などに効果があり、かゆみを和らげます。
ステロイドのランクは中等度。

Vはステロイド軟膏。VGはステロイドと抗生物質が配合されている薬です。
肌の炎症を抑え、細菌の繁殖を鎮めます。赤みやかゆみも改善します。
ステロイドのランクは強度。

肌の炎症を抑えたり血行をよくする効果のあるステロイド薬です。
おむつかぶれ、湿疹、やけどなどに使われます。
ステロイドのランクは弱度
(おむつかぶれの場合、よくならなければ
皮膚カンジダの可能性があるので再受診)

かつみや腫れなどに効果があるステロイド薬です。
おむつかぶれ、じんましん、アトピー性皮膚炎の治療にも
使われます。
ステロイドのランクは中等度。

ある2歳児は、秋になるころから全身が乾燥。
とくに足は、粉を吹いたような状態でした。
受診して、小児科でクリームタイプのヒルドイドをもらいましたが、
一向によくなりませんでした。

冬場は乾燥の時期なので、
同じヒルドイドでも、
クリームよりも長く効果を発揮する軟膏タイプに切り替えたら、
カサカサはすっかりよくなりました。

このケースが物語るように
保湿剤を選ぶときのポイントは、
「何の保湿剤を」選ぶかよりも、「どんなタイプを」選ぶか、
なんですね。

病院でもらえる保湿剤、保湿薬は
基本的に安全な塗り薬ですが、
ベトベトして肌に合わない、サラサラしすぎて乾燥肌に効果がない、
種類によっては刺激性を感じるなど個人差があります。

う~ん・・・こんなふうに書くと
種類はたくさん、市販のもの、処方されたもの、
効能もいろいろで、やっぱりママとしては混乱してしまいますね。

では、もっとシンプルに!

赤ちゃん、子どもの肌のケアの基本は
ママの肌のケアと同じ!

『化粧水でしっかり細胞にうるおいを与えて(保湿)
乳液で肌のうるおいを守る(保護)』

基本は、この組み合わせだけだと思います。

化粧水に匹敵するのが
ヒルドイド、ビーソフテン、ヘパリン類似物質クリームなど。

乳液に匹敵するのが、
ワセリン、プロペト、サンホワイト、亜鉛華軟膏など。

市販されているものも含めて、
この役割がイメージできていれば
どんなものを選んでも大丈夫だと思います。

あとは実際に使ってみて、
できるだけ子どもの肌と相性のいいものを選び、
毎日継続することが大切です。

酷い皮膚炎を起こしてしまえば
保湿剤だけでは対処しきれなくなり
病院で保湿薬やステロイド薬を処方されます。
薬に関しては、医師の指示に従って正しく使うようにしましょう。

ですが、
保湿剤に関しては、数種類を併用してもいいし、
市販薬でもいいんです。

夏はローション系、冬はクリーム系など
季節ごとに使い分けるのもおすすめです。

保湿剤でよくある間違いが
塗る量が少ない、塗る回数が少ない、というもの。

プロペトやヒルドイドを肌に薄~く伸ばし
刷り込んで使うと思ったように効果は出ません。
保湿剤はたっぷり塗らないとちゃんと効果を発揮してくれません。

保湿薬やステロイドを使う場合にも
基本的に保湿は絶対条件!
朝昼晩、1日3回、
もしくはもっと多くてもいいぐらい!
おむつ替えのたびにおしりを保湿してあげてもかまいません。

軟膏なのか、クリームなのか、ローションなのか?
季節はいつなのか?

どのタイプが「今」の子どもの肌に適しているか
見極めて、肌のうるおい補ってあげてくださいね。

ちなみに、
ばぶばぶモイスチャージェル・マシュマロは、
『保湿+保護』
両方の機能があります。

ワセリンのように肌に浸透せずに、
ただ肌を保護するだけではなく、
水分を浸透させるヒルドイドのような機能も持っているために
冬場はマシュマロだけでは乾燥を感じる人も
いらっしゃるかもしれません。

そんな場合はマシュマロの上から
さらにワセリンやプロペトで浸透させた水分のふたで保護してあげると
いいと思います。

量をケチると効果は半減だから、
もったいないと言わないで、
せめて子どもには、じゃぶじゃぶ使ってあげるぐらいに勢いで
お願いします!!

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