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2016.10.25

40代の妊娠出産

厚生労働省平成26年の統計では
第1子出産の平均年齢は30.6歳です。

20代の出産は減少し、35歳以上の出産が増えています。
なかでも、40歳以上の出産が目立っていて
40~44歳女性が産んだ赤ちゃんの数(出生数)は、
1995年当時と比較すると
ほぼ4倍なんだそうです。

ちょっと前までは、
40代の出産といえばほとんどが
2人目、3人目だったけど
最近は40代で1人目を産む人も増えています。

芸能人でも高齢出産がクローズアップされるので

「まぁそんなに急がなくても、あの人たちみたいに
 40代前半で産めばいいかな〜」

と、気楽に考えてしまう人が
後を絶ちません。

実際、年齢に伴う妊娠率の低下や流産率の上昇を
まったく知らない人たちが多いです。

年齢が高くなればなるほど
不妊治療の成果は出づらくなります。

妊娠率は年齢とともに確実に低下。
そして流産率はうなぎのぼりに上昇します。

排卵日ピッタリに
タイミングを合わせることができた場合、
35歳の妊娠率は36.1%。
それが45歳では、なんと6.5%にまで
落ち込みます。

わたしはありがたいことに
42歳で第11子を授かりました。
いくら体力に自信がある!
元気だ!
とはいえ、卵子は確実に42歳。
その事実は残念ながら、
どんなにあがいてもくつがえすことはできません。

実年齢に比例して老化した卵子は、
細胞に傷ができてしまっていることが多いため
運よく受精できた場合にも正常な細胞分裂を行うことができなくて
なんらかの染色体異常を引き起こす確率が
目を覆いたくなるほど高率になってきます。

その結果、流産率は
35歳では20%(この若さでも思った以上に高率!!)
45歳ではなんと61.4%に跳ね上がります。
妊娠しても半数以上が流産してしまうなんて・・・
唖然としてしまいますよね・・・。

助産師として、このような知識を持っているゆえに
今回の妊娠が発覚したときは卒倒するほど嬉しかった反面
過去の若かりしころの妊娠のように楽観的にはなれず
漠然とした緊張と不安の連続でした。

どんなハプニングが起きても
不思議ではない母体年齢。
妊娠検査薬で陽性が出たところで
2回に1回は流産。
という結果が待っているのです。

幸運にも流産の時期を越えられたとしても
次から次へ、高血圧、妊娠糖尿病など
20代、30代の妊娠と比較すると
さまざまなリスクといつも隣り合わせの
40代マタニティーライフ。

もともと「まぁなるようになるさ!」の性格なので、
『高齢妊娠の自分』を冷静に、慎重に受け入れ、
医者の不養生ではないですが、
いつものごとく自分の体力を過信しないように
意識し続けました。

体重管理もそれなりにがんばったし、
仕事もできるかぎり無理をしないよう
セーブできるところはセーブし、
活動と休養のバランスを考え、
しっかりと自分と向き合った毎日でした。

その結果か、
それともたまたま運がよかっただけなのかも
しれませんが、

妊娠経過は順調で
なにごともトラブルなく
無事に出産することができました。

もちろん、40代の妊娠出産でも
20代や30代となんら変わらず
出産されるママがほとんどです。

でも、40代の妊娠、出産のリスクは
やっぱり否定できません。
そのようなケースをいくつも目の当たりにしてきているだけに、
自分が順調だったことを当たり前のことだとは
とても思えませんでした。

医学的見地に立てば
無事に新しいいのちが生まれたこと、
42歳にしてトラブルがなかったこと、
これって本当に奇跡なんです。

ばぶばぶでも、わたしと同じように40代の妊婦さん、
40代で出産されたママが毎日のように来院されます。
最近、本当に多くて、
年齢を聞いてもびっくりしなくなりました。

でも
周産期医療に携わる者としては
自分のこと棚に上げて何ゆーとんねん
言われるかもしれませんが、

可能であれば40歳を最後の出産ぐらいに
考えてもらうほうが安全かなって感じています。

んー・・・
もう少し幅を持たすなら、ギリギリの許容線が
わたしと同じ42歳でしょうか。

だからって、43歳になった途端に
いきなりトラブルが起きるってことではないですよ。
医学的根拠もない、あくまでわたしのインスピレーション的な
ラインが、42歳と43歳の境目あたり。
助産師の感覚的直感というだけのことではありますが、
43歳以上の妊娠になると
さらに大きな覚悟が必要だと感じています。

多くの女性たちに幸せなマタニティーライフと
穏やかな子育てをしてほしいから。

いつか子どもを・・・
と考えている若い女性たちに
伝えたいです!

どうか、あなたが40代になる前に、
自身の妊娠について
よく考える機会を持ってほしいと思います。

もしも今、妊娠したら・・・?

あなたの身体は
妊娠出産に好ましい状態ですか?

妊娠はゴールではなく、スタートです。
妊娠出産という一大事業を母子ともに健康に乗りきるには、
それなりの「準備」が必要だと思います。

だから妊娠を望む人は
「そのときが来たら」ではなく、
今から準備をしてほしい!

例えば、40代に突入して、
「さぁもういいかげん、産まないと!」
「妊娠タイムリミットだ!」
となったときに
子宮筋腫や子宮内膜症、あるいは内科的病気などが見つかって
そちらの治療を優先させなくてはならないケースも多いんです。

30代後半以降の不妊治療は時間との戦いで、
このために半年から1年、
治療開始が遅れることもあるわけです。

そうこうしているうちに、
あなたはどんどん年齢を重ねていくことになる。。。

焦りばかりが頭の中を渦巻き、
悪循環となり、
負のループに迷宮入り・・・

それがどんなに重大な時間ロスになるか?
よく考えてほしいんです。

妊娠を機に
隠れていた病気が出てくることもあります。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などは、
その典型例です。

今はなんの異常もなくても、
妊娠を引き金に発症することがあるし、
それだけ妊娠は女性の身体にとって
負担が大きいってことです。

だからこそ、
妊娠前から病気の芽が大きくならないように
体を整えておくことが大切!!

いざ、赤ちゃんがほしいと思っても
すぐに授かるとは限らないから。

どうかどうか、
年齢とともにあなたに襲いかかってくる
さまざまなリスクを念頭に、
早めに妊娠準備に入ってくださいね。

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