断乳したのに母乳が出続ける
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私は断乳後、何ヶ月にも渡っておっぱいが出続けて
プロラクチンが高いのではないかと
言われたことがあります。
プロラクチン値が高いと
乳がんになりやすいと聞いたことがあるのですが、
どういったメカニズムですか?
血液検査して
プロラクチン値をみてもらった方がいいのでしょうか?
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授乳中ではなく
乳頭に刺激を加えるわけでもないのに
勝手に乳汁分泌が見られる場合を
『乳汁漏出症』と呼びます。
その原因は、プロラクチンと呼ばれる
脳下垂体から分泌される母乳生産ホルモンの増加、
あるいは、プロラクチンに対する
乳腺の感受性上昇だと言われています。
授乳中でないのに母乳が出る場合
そのうち2/3の人が、排卵障害などの月経異常の
合併が見られます。
これは、プロラクチンの分泌亢進が起こり、
プロラクチンが排卵に必要なホルモンの作用を
阻害するために起こっている症状です。
ただし、プロラクチン分泌過剰があっても
必ずしも乳汁分泌を伴うとは限らず
また逆に、乳汁分泌があっても
血中プロラクチン値が必ずしも
高値を示すとも限りません。
乳汁分泌を伴う無月経症を
『乳漏性無月経』
またプロラクチンの分泌亢進が
存在する場合を『高プロラクチン血症』と
呼んでいます。
プロラクチンは、
視床下部から分泌される
ドーパミンと呼ばれる物質によって抑制を受けています。
なにかしらの要因で
この抑制が解除されてしまうと
下垂体からのプロラクチン分泌が増加し、
乳汁分泌や月経異常を来すようになります。
ドーパミンの分泌を抑制する原因として
向精神薬の使用、
視床下部の腫瘍や脳の外科的手術、
また、
プロラクチンは甲状腺刺激ホルモンにより
分泌が促進されるので
このホルモンが分泌過剰な状態、すなわち
甲状腺機能低下症でも高くなります。
断乳後、ずいぶん経っても
母乳が出続けるという場合、
何も刺激を加えないのに
ブラジャーが母乳で汚れるということは
ないんじゃないかと思います。
搾るとほんのわずかに
母乳らしきものが出てきて
これ、ほっといていいの??
というパターンではないでしょうか。
断乳後にじんわり乳汁分泌が続いていたとしても、
・無月経、月経不順、異常なおっぱいの張り、不妊、
・更年期障害のような症状が複数出る場合
・極端な疲れやすさ、皮膚の乾燥、やたらと寒がるなどの
甲状腺機能低下症の症状
これらの不快症状が当てはまらないのなら
その母乳分泌は生理的なもので、
女性の体に害をもたらすような
高プロラクチン血症の可能性は考えにくいです。
よって、
そのまま様子見でいいと思います!
「プロラクチンが高いと乳がんになりやすいのか?」
プロラクチンが高いから
それが直接的に乳がんを促すのではなくて、
プロラクチンは乳腺組細胞の増殖を促し
乳腺の細胞分裂を盛んにするので
もしも乳腺細胞になんらかの異常増殖が
起きてしまったときには
さらに発がんを促してしまう・・・ということはあるようですよ。