HISAKOブログ

赤ちゃんはお弁当と水筒を持って生まれてくる

bentou suitou baby 420x405 - 赤ちゃんはお弁当と水筒を持って生まれてくる
「赤ちゃんはお弁当と水筒を
持って生まれてくる。
だから最初の3日間は
ろくにおっぱいを飲めなくても大丈夫。
なるべく糖水などを与えないように
どんどんおっぱいを吸わせることに専念しましょう」

いわゆる「お弁当と水筒」説。
聞いたことのあるママも多いかと思います。

実際、たいていのママたちは
産後3日目ぐらいまでは
ジワっと初乳が滲む程度です。
おっぱいはパーンと張ってくるけれど
そのわりに初乳はまだ
十分に分泌されるわけではありません。

ただでさえ体内を占める水分量の多い赤ちゃんですが、
出産予定日が近づくと
彼らは胎内で1日に50cc単位で
水分を蓄え、出生後の飢餓状態に
自ら備えることがわかっています。

これを世間では、
「赤ちゃんは水筒を持って生まれてくる」
と表現したりします。

水分だけでなく、同時に
彼らは効率よくエネルギーを産生することのできる
豊富な皮下脂肪を蓄えます。

出生後数日間、おっぱいが飲めなくても
大丈夫なように準備します。
これを
「赤ちゃんはお弁当を持って生まれてくる」
と表現したりします。

生まれてすぐの赤ちゃんは
事前に準備したお弁当と水筒を消費しながら
生きていくことになるので
水分やカロリーの消費が少なくても問題なく過ごせるよう
生理的に代謝状況が変化するということも
わかっています。

そして、生後3日目をピークにして
溜め込んだ水分と脂肪細胞を燃焼しながら
生理的体重減少が起こります。

頻回に直母をしていても
生まれたばかりの赤ちゃんはスタミナもないので
吸うことで疲れて眠りこけてしまう子が多く
効果的な乳頭刺激も得られないため
生後2日目〜3日目には
体重が10%以上減ってしまうことも。

数値だけ見たら

え・・・?
大丈夫?!

びっくりしてしまうけど、

おしっこうんちがちゃんと出ていて
生後4日目あたりで体重の減り方が
緩やかになっているようであれば
心配はいりません。

この生理的体重減少の期間に
医学的適応がないにも関わらず
糖水やミルクなど、水分が過度に補給され、
赤ちゃんの体内の水分の減少が起こらなかった場合、
動脈管開存や壊死性腸炎、脳室内出血などを
発症する危険性もあるのだそうです。

そしてとうぜん、母乳分泌量の減少や
腸内細菌叢の変化、乳頭混乱などの問題が
加わります。

そんな理由で、健康な新生児には
医学的に早い時期から水分(糖水やミルク)
を与える必要性はないとされ、

『母乳育児を成功させるための10ケ条
(WHO/ユニセフ共同声明)』

では

“医学的に必要がないのに
母乳以外のもの水分・糖水・人工乳を与えないこと”

が謳われています。

でも・・・
この提言は、安易に解釈して
本来の意味をはき違えると
たいへんな事態を招く危険があると思います。

どんな赤ちゃんでも、
どんなお産の状況でも

万人が

「お弁当と水筒があるから大丈夫!」

と思われがちなのが
落とし穴!!

見落としてはいけない
重要ポイントになるのは

「医学的に必要がないのに」

という一節です。

退院の頃(生後5日目)になっても
体重が増え始めないときは要注意です。
この場合、わたしは
「医学的必要がある」に値すると解釈しています。

赤ちゃんの口腔内の機能は
在胎週数、出生体重、
帝王切開、出産時の出血量、分娩所要時間、
仮死の有無など、どんなお産だったかによっても
左右されます。

ママの乳頭・乳輪の大きさ、伸びなどの状態、
赤ちゃんのお口の大きさ、舌の状態などの個性、
黄疸が有無・・・

一時的におっぱいを吸う技術やスタミナに
問題を生じさせる材料は
簡単に起こり得るのです。

一番いいのは直母で飲めること。
それで赤ちゃんがぐんぐん成長してくれたら
最高なのはいうまでもないけれど、

現実には、最初は経鼻栄養のこともあるし、
哺乳瓶を使って搾乳を飲ませることもあれば
ミルクを飲ませることもあり、
乳頭保護器が必須のこともあるのです。

赤ちゃんの発達には個人差があります。
ママのおっぱいの状態だって
個人差があります。
だから、最初から思うようにいかなくても
悲観しないでくださいね。

さまざまな複数の要因によって
赤ちゃんの体力がなさすぎて
上手におっぱいに舌を巻き込めないことだって
あるわけです。

ママの授乳姿勢に問題があって
きちんとおっぱいをくわえさせることが
できていないこともあります。

そもそも、初乳分泌のスタートが
遅めであるケースもあります。

こういうことが考えられる場合には
「お弁当と水筒」だけに頼って
タカをくくっていたら
赤ちゃんの体重はどんどん減って
「生理的体重減少」を逸脱して
「問題視される体重減少」に移行し、

やがては絶対的な母乳分泌不足、
栄養不足の状態から、
赤ちゃんが低血糖症や高ビリルビン血症(重症黄疸)、
ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血など)などを
発症してしまう危険性があることを
忘れてはいけません。

早期新生児の栄養管理は
みんなが同じなのではなくて、
状況によって大きく異なるのです。

栄養不足による合併症を未然に防ぐためにも、
「お弁当と水筒」に頼っていいのか?
それとも一時的にミルクや糖水の補足が必要なのか?
きちんと見極めなければいけませんね。

だから、
生後3日目、4日目までのミルク補足は
ときには決して悪ではなく、
正しい選択であることもあると思います。

さりとて、

母乳が十分量分泌されるまでの栄養不足の期間を、
他の栄養で補わずして
低血糖症や高ビリルビン血症が
発生してから治療する方がいいのか・・・?

異常が出ないように
予防的に栄養補足して管理した方がいいのか・・・?

うーん
難しい問題です。

その選択は、ママたちが“完全母乳栄養法”の長所と短所を
よく理解された上で、より科学的に
決定されるべきかもしれませんね。

何も訴えることができない赤ちゃんだからこそ
母乳分泌が不足しているときには
赤ちゃんにとって最高のエネルギー源であるミルクを
足してあげること・・・
大人以上に予防医学の普及は
大切だという考え方もあるのです。

母乳育児支援をしている
助産院ばぶばぶなので、
それぞれの親子の状況を多くの情報から正しく判断して
「お弁当と水筒」でいけそうなときは
もちろん、頻回授乳で乗り切ろう!って
アドバイスしたいですが、

生まれて間もない赤ちゃんに大切なことは、
「何を飲ませるか?」ではなくて
「いかに栄養不足を防ぐか?」

そのような意見も
一理ありなんですよね〜。

母乳育児が確立されるのには
数ヶ月を要するのが普通です。

それまではどうか焦らないで、
今、ママにできる精一杯のことをして、
赤ちゃんの持っている力が
いつか発揮できるようになるまで
待ってあげましょう。

子育ては
根気がいることばかりだけど

かたくなに
「お弁当と水筒」説を突き進むのではなく

必要な場合には柔軟な心で
赤ちゃんのためを想って
ミルクや搾乳の補足、
してあげてくださいね。

 

 

 

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