HISAKOブログ

おっぱいとの相性

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産後2ヶ月。

「赤ちゃんが直母を嫌がって
ママが授乳の姿勢をとっただけでのけぞって怒り
まったくおっぱいに吸いついてくれません。
しかたがなく毎日せっせと搾乳をして
哺乳瓶で飲ませています。
直母を拒否られると悲しくて切なくて
1日何度も行う搾乳は手首が腱鞘炎になるし、肩が凝るし、
時間もかかるし・・・
もういいかげん、疲れてしまいました・・・
もう正直、断乳したい・・・」

泣きながら
ばぶばぶを訪れたママがいました。

それでも

赤ちゃんは1ヶ月健診では100%搾母で
ミルクの補足はなく3000gにまで
増えていました。

2ヶ月ジャスト現在の体重は3800gなので
1ヶ月健診から計算して
1日の体重増加量は26g/日。

WHOの体重増加基準が1日に18~30g増ですから
この赤ちゃんはまだ直母はできないものの
ママの努力の結晶である搾乳で
すくすくと成長していると判断できました。

赤ちゃん育ってるよ!
おっぱい足りてる!
もうちょっとがんばれば
赤ちゃん、体力がついて直母で飲めるように
なるかもしれないから
それまで負けないで!

・・・と
言いたいところですが。

わたし自身の10回のお産、
経験的なことからいっても
搾乳っていうのは本当に疲れます。

いつでもどこでも赤ちゃんがグズれば
ペロンとおっぱい出して吸ってもらえたら。
ギュンギュン飲んでもらえたら。

授乳時間などそんなにかかるわけでもないし、
あっという間に
張っていたおっぱいは楽になるのに。

これが搾乳だとママの手指の可動域、角度的に
有効に搾れる腺とうまく搾れない腺の
アンバランスが生じるため
おっぱい全体的にどうもスッキリ感がなかったり
圧をかけすぎて乳腺を潰してしまったり
おっぱいにアザができてしまったりすることもあります。

哺乳瓶の消毒という余計な仕事も増えるために
必要以上に所用時間がかかり、ママはグッタリ。

そしてなによりも

『直母ができない挫折感と敗北感、落胆』

いくら赤ちゃんの体重がしっかり増えていたとしても、
直母を拒否られるママの気持ちは
想像を絶する失望感と空虚感に襲われるものなのです。

なので、彼女の『心』に寄り添うと
「もうおっぱいやめたい」と涙する彼女の気持ちは
痛いほどよくわかるし、
物理的に、搾母で赤ちゃんが育っているからといって
彼女をただ激励する、というケアは
わたしにはできませんでした。

どうしてこの赤ちゃんは
ママの直母を嫌がるんだろう?

肝心のおっぱいを診せてもらうと
分泌そのものは優秀で乳腺の開通も左右ともに抜群。
赤ちゃんが搾母のみで育っていることが物語るように、
1回の搾乳で調子がいいときには60〜80ccも
搾れるとのことでした。

『よく出るおっぱい』

分泌量が多い=赤ちゃんは飲めるはず

そう直結して考えてしまいがちだと
思います。

でも実際には
めちゃくちゃよく出るおっぱいでも
この赤ちゃんのように
直母ストライキを決行してしまうケースが
多々あります。

出るおっぱい=飲める

とは限らないんです。

このママのおっぱいは、
開通は最高級だけど、乳頭がかなり大きめで固く
赤ちゃんの小さなお口におさまりきらない状態でした。
さらに無理やりくわえさせようとして
赤ちゃんのお口の中で
乳頭がよじれ、そこが腫れてむくみが出ている状態。
大きめ乳頭が、その悪循環によって
もっと大きく腫れ上がってしまっていました。

そうかー
これが飲めない理由の『その1』ですね。

母子手帳を見せてもらうと
36wの早産。
出生体重2400g。
女児。

出生直後に多呼吸がありしばらく保育器に
入っており、初回のおっぱいは
生まれて2日目からのスタートでした。
さらに生後4日目から生理的新生児黄疸が強めに出て
2日間にわたり光線療法を受け、
ママの退院から1日遅れで
赤ちゃんも無事退院となりました。

ああ・・・なるほど。

上手に飲めない要素がいっぱい。
『その2』『その3』・・・
まだまだ続く。

直接ママのおっぱいを飲むことは
さまざまな条件が整わないと
うまくできなくて当然なのです。
直母っていう行為は、
生まれたばかりの赤ちゃんにとっては
フルマラソンぐらいの体力消耗を課せる
大仕事なのですから。

「断乳したい」というママが
ヘナチョコなのではありません。
「自分に負けた弱い人」なのでも、
「根気のない人間」なのでも
「ママ失格」なのでもないです!!

ママは悪くないんです!

では、どこに問題があったのか。

妊娠中に産院が彼女のおっぱいはハイリスクであることを
認識させ、早いうちから自己ケアを開始するよう
仕向けてあげることを怠ったのが、
なによりも問題だったのではないかと思います。

初産なら、おっぱいの知識など
あるはずもないです。

だからこそ、きちんと指導して、
妊婦時代からママになる心と身体の準備の
必要性を本人にまず知ってもらうこと、
それを実行してもらうことが
最重要だったのです。

診せてもらって、
明らかに産後苦労しそうだな、と思われる
おっぱいの「乳頭・乳輪のケア」は
妊娠経過が順調なら
わたしは必須項目だと思っています!!

妊娠中からきちんとケアをしていかないと、
彼女のように、産後に周りのママの
何倍も努力が必要になり
泣きながら子育てすることになるのは目に見えています。

では、おなかがよく張り
切迫気味でおっぱいケアを控えたほうがいい
妊婦さんはどうすれば?

なにも、おっぱいを直接触ることだけが
産前ケアではありません。

肩こりや冷えがある人は
おっぱいが軌道に乗りにくいですし、
乳質をよくする食事や
妊娠中からの骨盤ケアを通して
自律神経を安定させて
おっぱいライフがスムーズにいくように
間接的な準備はいくらでもあるのです!

けど、事実、
「妊娠中は何もしなくていいですよ」と
指導している産院は多いし、

気休め程度の産前おっぱい指導でおしまい、
という産院も多いです。

そんなことだから、
産後にママが絶望の縁に立たされるのに!!

そして、
どんな赤ちゃんが生まれてくるかで、
おっぱいのたいへんさレベルは変わります。
みんなそれぞれ個性を持って
生まれてきます。

早産だったのか満期産だったのか。
低体重児か標準体重児か。
難産か安産か。
赤ちゃんの舌がどんな形状をしているか。
お口の開け具合はどうか。
舌の巻きつけが器用なのか不器用なのか。
飲むことが根本的に難しい先天的な病気があるかないか。
眠りこけタイプなのか、起きてくれるタイプなのか。
飲むことへの執着があるのか、ないのか。
イライラする子なのか、おおらかな子なのか。

など。
こればかりは、生まれてみないと
わかりません。

個性によって、
直母がうまくできない
赤ちゃん側の諸条件というのが
あるのですね。

そしてもし赤ちゃんが下手っぴ条件満載!
だったなら、

それを受け止めて
赤ちゃんの成長を待ってあげられるかどうか。

そしてただ待つだけではなく
赤ちゃんの能力や体力が向上するための
適切な手助けがしてあげられるかが
大事だと思います。

母子ともにたいへんな条件が重なっていても、
妊娠中に漠然とおっぱいほったらかしのまま
「ちゃんとできたらいいな〜」と
ぼんやり思っているだけじゃなく、

ママが妊娠中から正しい知識をもって
「母乳でがんばるぞー!」
モチベーションが上がっていれば
時間はかかっても、直母ができるようになる日は
来るはずです。

でも、そのモチベーションは
ときに妊婦さん一人では上げることが難しいです。
だから、ママのモチベーションの方向付けをする
関わり、声かけ、アドバイス、お手伝いをするのが
助産師の大切な役割だと思っています。

ラッキーにも、
特別に何かしなくても、
最初からまったくおっぱいで苦労しない
ママと赤ちゃんカップルもおられます。

その一方で
「どないやねんー!!!」な、
ママと赤ちゃんカップルもおられます。

産後2ヶ月で断乳。
それが悪いわけでは決してありません。
ママの価値は、母乳育児の有無で決まるような
単純なものではないからね。

ママの気持ち、心の安定。
赤ちゃんにとってもっとも大切なのは
そこだから。

でも!

もしも避ける方法のある
早期断乳であったのなら、

ママのために、
赤ちゃんのために、
避けたかった・・・という想いは
消えません。

彼女の涙、苦悩は、
妊娠中からわたしが関わってあげられていたら
避けられたと思うので
正直、悔しくてたまりませんでした。

同時に、彼女が気の毒で・・・
さぞ苦しかったと思います。
さぞ自身喪失したと思います。
2ヶ月間、本当に本当に
歯をくいしばりよくがんばったと思います!!

だからどうか妊婦のみなさま。
妊娠6ヶ月(20w)になったら
お近くの助産院でぜひ、
おっぱいの状態を診てもらってください。

通っておられる産院があまりおっぱいに
積極的でない感じだったら
自ら産院の枠を出て、
地域の助産院の門を叩く賢さと勇気を
持ってくださいね!

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