HISAKOブログ

授乳中の内痔核治療(ジオン注射)

jion 244x405 - 授乳中の内痔核治療(ジオン注射)

母乳哺育を長期間続けることには

○栄養面での利点
○ママと赤ちゃんの接触による精神心理的利点
○アレルギー反応の予防
○母体の乳がん発生の予防

など、大きなメリットがあります。

なので、
最近は、可能なかぎり長く母乳哺育を続けよう!
という提言が、WHO/ユニセフや、厚生労働省からなされています。
長ければ2年、それ以上に授乳を続けるママもいますが、
授乳中だからといって、病気にかからないわけではないですね。
ときには、薬を使いながら並行して
授乳を続けなければならない場合もあり、
「ママが使うその薬が母乳を介して
 赤ちゃんにどんな影響を及ぼすか」

は、たびたび問題視されます。

大部分の薬は微量に母乳中に移行しますが、
その乳汁中濃度は内服した量の1パーセントを超えることは
ないといわれています。
そうはいっても、赤ちゃんは多い時期には
1日に800mlもの母乳を飲みます。
赤ちゃんの肝臓における解毒能力や
腎臓の排泄能力は大人のように成熟していないので
薬物の蓄積、感受性にはやはり注意しなればなりません。
『ジオン注射』ってご存知でしょうか。
日帰りでできる「切らない痔の治療」です。
従来の、脱出した痔を切除する大掛かりな外科的手術とは違い、
痔に注射をすることで、そこに流れ込む血液量を減らす治療です。
血流が減ると出血が見られなくなり、
脱出や肛門周りの腫れがなくなります。
小さくなった痔は、粘膜に癒着、固定されます。
妊娠出産をきっかけに痔になってしまう人は少なくないですよね。
わたしも9人目の出産のときにひどい痔になりました。
9人目にしてーーー(ー ー;)
なぜ〜〜〜!

いきみ方が下手クソだったのかっっ!

産後入院中、エステやリフロソロジーがあったのですが、
痔が痛すぎてリラックスどころではありませんでした。
また、授乳中は水分がおっぱいへと優先的に流れるため
便秘になりやすく、子育てに追われてゆっくりトイレに行けないことや、
運動不足、冷え、むくみなどから
痔は悪化しやすいです。
わたしは、産後1ヶ月ほどで症状は軽減し、やれやれでしたが
ひどくなると痔は、本当に痛くて辛いです。
日常生活に支障をきたすこともあります。
藁をもすがる思いで肛門科を受診すると

「ジオン注射という治療方法がありますよ」と

天からの声!!!

しかし、「授乳中です」と伝えると、

「だったら残念ですが治療はできません」

瞬間に天から突き落とされます。

結局、断乳するまでは根本治療はできませんと、
気休めの軟膏を処方してもらう程度の対処療法、
泣き寝入りで帰ってきたという話をときどき聞きます。
授乳中だったら痔の治療はできないのでしょうか?
安易に放置なのでしょうか?
ママは苦痛を我慢するしかないのでしょうか?

最近、痔に悩む授乳中のママから

「ジオン注射は授乳中でもOK?」

立て続けに質問がありました。

ジオン注射に関して
薬剤添付文書を検索してみると、
「ラットを用いた薬物動態検査の結果、
アルミニウムの乳汁中への移行が推定され
乳児におけるアルミニウムの経口摂取により
安全性は確認できていない」

と書いてあります。

よって、「授乳中の母親には投与しないこと」

が基準となります。

デタ〜〜〜!
薬剤添付文書の〝おやくそく〟記載ですね。(^^;;
大抵の専門家は、「授乳可」の医学的根拠が
説明できないゆえに、
「授乳中は使えません」という返答をします。
でも・・・それホント?
ジオンも、他の一般的な薬剤と同じように
実は授乳中でも治療可能なんじゃないの?
ということで、
調べまくってみました!!
小学校のときの理科を思い出してください。
PH7が中性で、それより数字が大きければアルカリ性、
それより数字が小さければ酸性です。
臨床に用いられる薬剤の多くは、弱酸、または 弱酸性です。
アルカリ性の薬剤は母乳移行しやすく、
酸性の薬剤は母乳移行しにくいです。
ジオン注射のPHは3。
酸性なので、母乳中へは移行しにくいことがわかります。
そして、
わたしたちの身体の生体膜は脂質でできているので
脂溶性の薬剤は膜を通過しやすく母乳中へ移行しやすいです。
水溶性薬剤は母乳移行はほとんどしません。
ジオン注射は水溶性薬剤。
なので生体膜を通り抜けることはほとんどないと
思われます。
ただし、水溶性でも分子量が200以下の薬剤は
粒子が小さいゆえに母乳中に移行します。
多くの薬剤は分子量は250~500ぐらい。
分子量が大きい薬剤は母乳には移行しません。
ジオン注射の分子量は474と大きいので
母乳移行はほとんどないことがわかります。
また、ジオン注射は、
血漿中の蛋白(アルブミン)と結合しやすい特性があります。
分子量が474と大きい上に、アルブミンと結合すれば
さらに大きい粒子となるので、
物理的に細胞膜を通過できなくなりますね。
ということは、母乳中に移行したくても
行く手を阻まれる状況なのがわかります。
ジオン注射の成分は、
硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸です。
タンニン酸はほとんど血中には移行しませんが
アルミミウムは微量、血中移行することが
わかっています。
とはいえ、身体に入ったアルミニウムは
99%が吸収されずにそのまま排泄されます。
わずかに残ったものは、腸管を通して吸収されたあと
腎臓を通って尿と一緒に排泄されます。
アルミニウムの体内蓄積が発達障害に関係するとか
アルツハイマーを誘発するなどの説もありますが、
アルミニウムは、主として腎臓から排泄されるので
腎臓機能が悪い人、腎機能が未熟な赤ちゃんが
大量にアルミニウムを摂ると脳症などの原因になる可能性がありますが、
ジオン注射に含まれるアルミウムの含有量は『大量』には程遠いので
ママにも、その母乳を飲んだ赤ちゃんにも、
とくに問題がないことがわかっています。
ジオン注射の動物実験では、
乳汁中のアルミニウム濃度は投与後徐々に上昇、
8時間後に最高値になり、
半減期(薬剤の濃度が半分以下になる)は、14時間後。
投与から24時間後には29%まで低下します。
さまざまな見地から判断して
授乳中のジオン注射は可能です!
それでも心情的に
どうしても薬剤の影響が気になる人は
薬剤血中濃度が半分以下になる治療後14時間
授乳を控えてみてはいかがでしょう?
朝イチで治療を受けたら、
その日は寝かせつけのおっぱいまで
搾乳とミルクでなんとかしのぐ感じですね。
おしりの痛みは、楽しい育児を妨げることにも
つながると思います。
ですので、授乳している期間でも
痔に悩んでいるママは
我慢しないで肛門科を受診、
積極的に治療を試みてくださいね!

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