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2017.12.28

挫折で始まった母乳育児

ご出産され、初めてばぶばぶに来られたママが
とても気難しい表情で
診察室に入って来られました。

わたしが両手でおっぱいを包み込んだ途端
彼女はいきなり
ポロポロと泣き出してしまいました。

どうしたどうした?
緊張の糸が切れちゃった?

話を聞いていくと

赤ちゃんとの生活が、
思い描いていたものと
あまりにも格差があり
しんどすぎて気持ちがついていかない・・・

ということでした。

妊娠中は大きなトラブルもなく
産休に入るまできっちりと働ききることができました。
出産も、初産にしてはスムーズでした。

彼女いわく、

お産は滞りなく進みました。
分娩時の出血も多くありませんでした。
赤ちゃんは早産でも低体重児でもありませんでした。
生理的黄疸も軽く終わりました。
おっぱいの形状も悪くはないと思います。
母乳もそれなりに出ています。

だから
退院するまでに
母乳育児は軌道に乗っているはずだったんです!
うまくいかないリスクは見当たらないのに
どうして!

なんで、よりによってこのわたしが
こんな目に合わなければならないのでしょうか?

彼女は悔しくてたまらないというように
涙を拭いました。

母乳について、それなりに勉強され
知識を持っていらっしゃるように
お見受けしました。

話されている内容も理路整然としていて
頭のいい女性だと感じました。

彼女は某有名大学病院の、
とても優秀な女医さんでした。

なかなかたいへんなことも
あると聞いている母乳育児。
でも、ママになった女性たちは
みんなが乗り越えていく道なんだから
まさか自分にできないはずがない、という
根拠なき自信があったようです。

が・・・
どんなに奮闘しても
ハッキリと目に見える結果につながらない。
どうして?

日に日に苛立ちが増していったそうです。

肩肘を張れば張るほど、
本質を見失って路頭に迷う・・・
それが初めての子育てです。

これまでの人生で大きな挫折を知らずに
歩んで来ることができた人や
エリート街道に乗ってきた人、
バリバリとキャリアを積む中で
それなりの結果を出してきた人など

がんばれば頑張るだけ評価され、
結果を出してくことに価値を見出してきた女性は
出産や育児を軽く考えてしまう節があり

いざママになって
不測の事態の困難にぶつかったとき
思っていた世界観とのギャップに戸惑い
現実から目を背けて身動きが取れなくなるという
落とし穴に陥りがちのように思います。

子育ては、
知識をつけて、ストイックに取り組んでも
やればやるだけドツボにハマり
報われないことだらけ、
理不尽のかたまりだったりします。

とくに深く考えることもなく、
なんとなく産んで、なんとなくおっぱいを飲ませたら
なんとなく流れに沿ってうまくいく
ラッキーなママもいるし、

具体的イメトレの末に
準備万端、子育てを開始したにも関わらず
思い描いた母乳育児とはかけ離れた
始まりが待っていて
「こんなはずでは!」の場合もあるんです。

彼女が挙げていたように

・ お産は滞りなく進みました。
・ 分娩時の出血も多くありませんでした。
・ 赤ちゃんは早産でも低体重児でもありませんでした。
・ 生理的黄疸も軽く終わりました。
・ おっぱいの形状も悪くはないと思います。
・ 母乳もそれなりに出ています。

スムーズな母乳育児開始の条件が
整っていたとしても、

たまたま生まれた赤ちゃんが
性格的にのんびりさんだったり
逆に短気さんだったり、

飲むことより寝ることのほうが好きな
タイプだったり、
ぶきっちょさんだったりすると

ママがどんなに鼻息荒く
がんばったところで
軌道に乗るのに時間を要します。

うまくいかないと、ママとしての自分を
拒否されているように感じて
落胆してしまう気持ちはよくわかりますが

どんなキャラを持った赤ちゃんが生まれてくるかは、
産んでみないとわからないっていう
部分があって、

ときに、赤ちゃんが上手に飲めるようになるまで
数ヶ月かかることもあります。

『わたしの母乳育児ストーリー』の筋書きを
あらかじめ決めてかかるよりも
赤ちゃんの個性に合わせて
臨機応変に『待ってあげる』こと、
波に逆らわず、身を任せてみることが
最善の解決策なんですよね。

困難を乗り越えるには
赤ちゃんを信じること、
そしてママとしての自分を認めてあげること。
きっとできるようになる日は来るから。

子育ては『待つ』ことの連続です。
それって本当に難しいし、
ママにとっては試練だけど。

赤ちゃんだけじゃないですよ。
幼児も、小学生も、
中学生も、高校生も、大学生になっても

ママが唯一、変わることなく、
わが子にしてあげられることは

信じて待ってあげること

なんです。

挫折を味わってこそ
人間は豊かになれるから。

きっと、この女医ママは、
出産され子育てを経験され、
現場に戻ったときには
人の痛みがわかる素晴らしいドクターに
なられることだろうと

悩んでおられるところ、不謹慎ですが
ちょっぴり嬉しくなってしまった
わたしでした。

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