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2020.11.27

帝王切開になったから愛着が持てないの?

彼女は、計画分娩希望で
37w1dで分娩誘発しました。

直前の内診所見では
子宮頸管熟化兆候はまだほとんど認めず。

【誘発1日目】
バルーン挿入
(子宮狭部に風船を入れて子宮口を柔らかくする)と
プロスタグランディン(子宮収縮を促す内服薬)
による誘発。

ときどき子宮収縮は来るものの弱く、
内服終了とともに陣痛は遠のきました。

【誘発2日目】
点滴による誘発開始。

定期的に昨日よりは強めの陣痛が来ましたが
お産に至るほどの強さはなく
陣痛発作中でも喋れるし、食べられる程度。
夕方、点滴終了すると陣痛は遠のいていきました。

【誘発3日目】
仕切り直しで点滴開始。
痛みは徐々に強くなっていきましたが
子宮口開大は2cmから進まず。

CTG(分娩監視装置)モニター上
子宮収縮の山より少し遅れて赤ちゃんの心拍が
一時的に下がる波形が見られるようになり、
(遅発性一過性徐脈)

産婦の体位変換などを
試みながら様子をみましたが

いったん落ちた赤ちゃんの心拍の戻り方が
次第にゆっくりに。
(遅延性一過性徐脈)

「赤ちゃんがしんどくなっているので
帝王切開に切り替えますね」

いきなり医師から宣告され
彼女は混乱しました。

遅延性徐脈は
赤ちゃんに酸素が十分に送られていない所見です。

このまま放置すると低酸素状態から
比較的早期に胎児仮死→脳性麻痺に
移行するリスクがあります。

子宮口2cmの分娩初期段階で
この波形が見られる場合、
ここから先の分娩に赤ちゃんが耐えられるかどうか
微妙になってきます。

取り返しがつかなくなる事態になる前に
緊急帝王切開に切り替えて
安全に赤ちゃんを娩出させる判断は正解でしょう。

彼女は、
妊娠中には、
とくに産み方へのこだわりはなかったそうです。

なかった〝つもり〟でした。

どんな方法で生まれてきても、
赤ちゃんが元気ならそれでいい。

そう思っている
〝つもり〟だったそうです。

心のどこかで
自分は経膣分娩で赤ちゃんを産む
と、根拠もなく信じ込んでいたんですね。

まさか自分が帝王切開になるなんて
今この瞬間まで
考えたこともなかったのですから、
状況を冷静に受け止められなくて
当たり前だったと思います。

そこからバタバタと手術になり、
赤ちゃんは無事に生まれてきました。

よかった。
本当によかった。

の、ですが!!

なんで帝王切開になったんだろう。
ほんとは下から産めたんじゃないか?
計画分娩にしたのがいけなかった?
37wでの誘発は早すぎた?
3日間も誘発して赤ちゃんに負担をかけてしまった?

自然な分娩開始を待っていれば
こんな結果にはならなかったんじゃないか?

自分のせい?
産院のせい?

出産から5ヶ月経っても
彼女はそのときのことを悶々と考えていました。

産み方へのこだわりは
なかったはずの自分なのに

いざ緊急帝王切開を経験したら

なぜかこんなにも
産み方、生まれ方にこだわってしまっている・・・

もともと子どもは好きだったどうです。
なのに、産後5ヶ月の今
わが子を心から「かわいい」と思えず

それはもしかしたら
緊急帝王切開になってしまったことが
原因なのではないか・・・?

と彼女は本気で悩んでいたのでした。

確かに、
37wになってすぐの誘発分娩は
ときに、なかなか分娩に至らないことがあります。

子宮外生活への適応という
赤ちゃん側の準備と、

子宮頸管熟化という
ママ側の準備

両者が揃ってはじめて、
お産は進むので

頸管熟化が未熟な状態で
いたずらに分娩誘発をかけたところで
陣痛は来るけど子宮口が開かずお産が進まない!
というパターンがあるんですね。

胎児は
幾度となく襲ってくる子宮収縮によってストレスを受け、
次第に予備能力低下をきたし、
心拍低下となってしまうことがあります。

とはいえ、正期産(37w〜)なら
頸管が硬い状態でも、誘発の刺激で一気に
柔らかく熟化するケースも多々あるので

彼女のようなお産の流れは
誰が悪いとか、
判断を間違えたとかいうことではなく

『やってみた結果論』

でしかなかったと思います。

遅延性一過性徐脈が出た時点で
帝王切開に切り替えたのは妥当な判断だったし、

やっぱり、産み方どうであれ、
赤ちゃんが無事に生まれてくれて

今こうして彼女の隣に
5ヶ月の赤ちゃんがいる

それだけで十分だと思います!

さて、
そんな彼女の赤ちゃんへの愛着ですが。

帝王切開だったから
赤ちゃんがかわいくないのでしょうか?

わたしは11人経膣分娩して
12人目だけ帝王切開でしたが、

12人目、
この上なくかわいくてたまらないです〜。

わたしが愛着のかたまりなのは
子育て歴22年だからです。
12回目の子育てだからです。

愛着形成、かわいいかどうか、と
産み方は無関係で

彼女は単に、はじめてのお産、
はじめての子育てで
「子どもは好き」なのに
想像と違うことがいっぱいあって、

そこにママとして適応していくのに
ちょっと時間がかかっているだけのことです。

今は、かわいくなくていいです。
それと「愛着がない」と
とらえるのも違う。

産後のこと、起こってくる問題、
自分の体と環境の変化などなど

簡単に予測できちゃう第4子以上の
経産婦は適応しやすい(3人目でもまだ不足です!)から
早期にわが子を「かわいい〜♡」って思える。

つまり、
経験値の差だというだけのことです。

はじめての子育て。
ゆっくりゆっくりママになっていきましょう!

「ママらしくなければ」
「ママなんだからこうあるべき」

そんなこと考えてる時点で
力入りすぎです。( ^ω^ )

いろんなお産があっていい。

計画分娩を選んだことも
緊急帝王切開になったことも

そのすべてが素晴らしく、
そのすべてが輝かしいことなんだから¡

彼女も赤ちゃんも
ほんとによくがんばったと思います♪

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