HISAKOブログHISAKOブログ
2015.07.29

補完食と離乳食

「1歳過ぎたから断乳すべき?」

「赤ちゃんにお白湯や果汁は必要なの?」

「離乳食を食べないから断乳すべき?」

「母乳の栄養はだんだんなくなっていく?」

「いつまでもおっぱいを飲んでるのは
恥ずかしいこと?」

ばぶばぶで毎日のように相談される内容です。

うーん、どれも違うかな〜。(ー ー;)

来院されたママには正しい知識を
提供させていただいていますが
本当に大切な部分なのに
正しい情報が世の中にまったく浸透してないことに
驚きます。

WHO:乳幼児の栄養に関する世界戦略(2003)を
ご存知でしょうか。

1.生後6か月までは母乳のみ
(たとえ熱帯地方でも水分や果汁さえ不要)

2.6か月以降は母乳に加えて補完食(離乳食)を足しながら、
母乳育児を2年以上続けること

3.母乳を与える期間に上限はない
(可能なら4~5歳でも)

WHOは発展途上国に照準を合わせて指針を打ち出して
いるので、先進国の日本に同じことが当てはまるのか?
と言われると
ちょっと困っちゃったりもするのですが、

でもこれが
科学的根拠に基づく人間の赤ちゃんの
育て方の基準だと思います!

母乳は赤ちゃんにとっては素晴らしい食べものだけど、
それでもいつまでも完全食品というわけでは
ないのは言うまでもないですよね。

だから足りなくなってくる栄養素を
食べることで補っていくことになり
6か月を過ぎると「補完食」が
必要になってきます。

「離乳食」ではないの?
と思われる方がいらっしゃると思います。
「補完食」って聞きなれない言葉ですよね。

日本で一般的に使われている
「離乳食」という言葉は、その漢字のごとく

「母乳やミルクよりも食べ物を優先して、
どんどん食べ物の量や種類を増やしていくべし」

というニュアンスがあります。

なんとなく、おっぱいをやめなければ
いけないような空気を感じます。

でも、赤ちゃんの腸の消化機能は未熟なので、
食べたものが完全に消化されて吸収されるとは限らないし、
未消化のたんぱく質によって
アレルギー反応を起こすこともあり、

とくに母乳の場合、食べものは補足と考えて、
ゆっくりすすめていく方がいいと思います。

最近では、
母乳育児支援の講習やテキストでは「補完食」という
言葉(母乳に加えて他の食物を与えることを意味する)の方が
適切だと言われ始めています。

「母乳から離れるために与える食事」
ではなく、

「母乳に加えて栄養素を補給する食事」
なのですね。

「補完食」の視点から言えば
6か月を過ぎてもあくまで母乳やミルクが基本、
食べないから授乳回数を減らす努力をするとか
極端な話、断乳すべきという考え方は違います。

ちなみに「離乳食」の定義は
2007年に厚生労働省が出した
「授乳・離乳の支援ガイド」の「離乳編」には
こう書いてあります。

離乳とは、母乳または育児用ミルクなどの栄養から
幼児食に移行する過程をいう。
この間に乳児の摂取機能は、乳汁を吸うことから、
食物をかみくだして飲み込むことへと発達し、
摂取する食品は量や種類が多くなり、
献立や調理の形態も変化していく。
また摂取行動は次第に自立へと向かって行く。

離乳については、
乳児の食欲、摂取行動、成長・発達パターン
あるいは地域の食文化、家庭の食習慣等を考慮した
無理の無い離乳の進め方、
離乳食の内容や量を個々に合わせて
進めていくことが重要である。

子どもにはそれぞれ個性があるので、
画一的な進め方にならないよう
留意しなければならない。

乳児の成長・発達という医学的な視点。
家庭や地域の状況という社会的な視点。

そして個人の差という視点から
全体像が網羅されて書かれていて
これが離乳の本質ではないかと思います。

身体の自立と心の自立を
時間をかけながら自ら勝ち取っていく。
そうして立派な人間に成長していくのです。

厚労省の「離乳の定義」は、
その自立していく赤ちゃんを主体にした
ケアの視点で書かれた名文だと思います!
さすが厚生省〜!

体型だって顔だって
同じ人はいません。

母乳育児の場合、離乳食の本に書いてある通りにやって、
うまくいくこともあるけれど、
多くの場合、おっぱいばかり飲んで食べなかったり、
体重の増えが悪くなったり、夜泣きが増えたりで、
思うようにいかず、ママが悩んでしまうことが多いです。

ドロドロの形状のものが好きな子もいれば
月齢は低いんだけど
ちょっと固めの形状のあるものを
好む子もいます。

月齢は高いのに1日3食は無理〜!
って子もいます。

食べもの=投げ捨てるもの
と思っている子もいます。
いわゆる遊び食べです。

教科書どおりに進む子なんか一握り。
みんなそれぞれなんです。
いろいろな過程を通して人は
食べることに自立していくのですね。

一般的な本には
「離乳食のあとでおっぱい」と書いてあるものが多いけど
「おっぱいのあとで補完食」
それであまり食べてくれなければそれはそれでOK

で、いいと思います!

必ずそれぞれの子どもの
発育のタイミングで自然に

食べる<おっぱいミルク

から

おっぱいミルク<食べる

に、切り替わっていく日が来るから
慌てない、慌てない♪

母子手帳にはいまだに「離乳食」って
記載されていますが
そのうち「補完食」に
名称が変更、改善される日が来るかもしれません。

のんびりいきましょ〜。

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