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2016.05.27

HISAKOの妊婦教室step2「バースプラン」

今日は、セミナーの日。

「聞きたいことはズバリそれ!
HISAKOの妊婦教室 step2」

step2は、バースプランや
アクティブ・バースについて。
お産の話がメインでした。

マタニティーヨガも体験してもらい、
参加されたみなさまには
お産の世界にどっぷり浸かってもらいました。

「お産」というと、
どんなイメージがあるでしょうか。

妊婦教室で、
「お産は楽しみですか?
それとも不安ですか?」

最初に尋ねると

ほとんどの妊婦さんが
「不安・恐怖のほうが大きい」

と答えられます。

分娩台の上で仰向けにされ、
足元をライトで煌煌と照らされ、
マスクをつけた予防衣姿の産科医や助産師がいて、
いろんな器具の金属音がガチャガチャ・・・
そんな環境のなか、大汗をかきながら
「うーん、うーん・・・」と
産みの苦しみにもだえている産婦の姿。

あーなんだか。

書いてるだけでも恐ろしい光景。
緊張してきて
股がキュっとすぼまる思いがしますm(。≧Д≦。)m

お産ってね。
本当はもっと自然で動物的な、
本能的な営みなんです。

目を閉じて、
こんな場面を想像してみます。

「今、あなたは太古の世界にいて、
家もなければ洋服も身にまとっていません。
そして妊娠しています。
どうやら出産が始まったようです。
あなたはどこへ行って、
どんな格好で赤ちゃんを産もうと思いますか?」

助けてくれる助産師もその場にいないとすれば、
わたしなら、暗い狭い洞穴のような場所へ行くかな。
陣痛の間、仰向けに寝転んで動かず
そのままの姿勢で過ごす、ということはないでしょうね。

屈んだり歩き回ったり、座ったり、4つんばいで丸くなったり、
いろいろ試しながら、赤ちゃんが産まれるその瞬間まで
自分が一番リラックスできる姿勢を探し続けると思います。

質問の答えは、みんなそれぞれ違うかもしれないけど、
おそらく誰の答えも、動物の本能に近いものだろうと思います。
そう、ヒトも動物なんですよね。

出産の場において、
物理的にも精神的にも自由に動ける空間が提供されれば、
産婦はありとあらゆる姿勢をとることが知られています。

例えば、夜中にひとりでいて、急におなかが痛くなって
目覚めたらどうしますか?
無意識に、ベッドの上で身を身体を丸くしたり、
トイレに駆け込んで屈んだりしますよね。
産婦にも、陣痛の波をうまく乗り切るために分娩の段階に応じて、
痛みとつき合いやすい姿勢を本能的に探す術が
身についているんですよ。

最近では出産といえば、
専門の施設にお世話になるのが当たり前になっています。
お産は分娩台の上でするもの、
そんな意識が常識の世の中になりました。

だけど本来出産とは自然の営みです。
守られた安心できる空間で、そのときに身体が教える、
自分に合った姿勢で産むという行動は、
人類の歴史上もっとも普通に、最も多く用いられてきた
最もやさしいやり方だと思います。

分娩台に拘束されないということは、
産婦が主体性を持った満足いくお産ができるということと、
今まで生活の中で埋もれていた、
本来の女性が持っている「産む力」を
陣痛の中で見い出し、引き出すことができます。

長い陣痛に耐えたあと、いざ赤ちゃんが産まれる瞬間。
最近多く見られるのは半座位分娩かな。

分娩台の背もたれを少し起こして、半分座ったような、
半分仰向けのような体位です。

分娩体位は、仰向けを中心とする横型と、
座位、立位に代表される縦型があります。

産婦が本能的に選ぶのは、縦型体位なんですって。
ということは、縦型体位は
本来の自然な分娩体位なのでしょうね。

生理的にも、縦型体位には

◎身体を起こした姿勢は重力を利用できる
◎赤ちゃんの頭がママの骨盤の中に入りやすくなる
◎卵型の子宮の形を最後までキープできるので
赤ちゃんが正しい方向へ回旋しやすい
◎骨盤への子宮の圧迫が少ないために、余分な痛みを感じなくて済む
◎重い子宮の大血管への圧迫による血流低下がない
→胎児仮死の危険性が少ない
◎赤ちゃんと子宮壁の間にへその緒が圧迫される危険性が少ない

などの多くのメリットがあります。

なのになぜ、横型体位で産ませることが多いのか?
仰向けや半座位で産むというのは、
実は産み手本人の選択ではなく
医療者側の都合だったりするんです・・。

病院。産婦人科。

専門施設ができたおかげで、
分娩体位はいつの間にやら様式化してしまいました。
医療者も産婦も「それが当たり前」になってしまったのです。

わたしは過去10回、いろんな産み方をしてきました。
うろうろ歩いたりスクワットを始めたり、
足をバタバタさせてみたり、
毛布をかぶって暗闇の中で瞑想してみたり、
バランスボールの上でポヨンポヨンと
跳ね続けてみたり
子宮口全開までエアロバイクを
漕いでいたこともあります。
歌ったり、踊ったりもしました。

お産のたび
毎回、その都度、
やりたいことは違っていました。

お産をしながら、深い愛を思い出すのです。
自分自身の中から、小さなことに惑わされず、
マインドにコントロールされることなく、
自然に自然に・・・

産まれてこようとする新しい命を全身に感じながら、
立ち会う子どもたちにも大きなエネルギーを分けてもらいながら、
身体の奥底から沸き上がる「産みのパワー」と、
赤ちゃん自らの「生まれ出ようとするパワー」を、
呼び起こしていきます。

陣痛のとき。
左右にユラユラと揺れながら。

ベビーに

会いにきてくれてありがとう
さぁ出ておいで
あなたを愛してる

肯定的な優しい言葉で語りかけると
身体中の緊張が溶け、子宮口はトロトロに柔らかく
温かく、とっても穏やかな素敵なお産になるんだよ、と
仕事で忙しい合間を縫って、
仲間の助産師がわざわざ話しに来てくれたことが
あります。

うん。
そうなんだよ。
お産は愛なんだよ。

だから
それぞれの妊婦さんがが安心して産めるように、
どんなお産が希望かをあらかじめ産院に伝えて
満足のいく、達成感のあるのお産を目指そう!

それが「バースプラン」です。

日本では
1990年代から本格的にあちこちの産院で
取り上げられるようになりました。

わたしが第一子を出産したのは1998年でしたが
その当時はまだまだ「バースプラン」という
言葉自体、認知度は低く、
助産師でさえ「何それ?」
知らない人もいました。

少子化にともない、
人生で数回しかないお産を楽しみたい!という想いや
ただ「産ませてもらうお産」から
「自分で選んだ産院、自分で産むお産」へと
妊婦さんのお産に対する意識が
大きく変わってきたことで
21世紀に入ってからは
バースプランはどんどん普及していきました。

医療者側も、妊産婦さんの主体性を重視し、
妊娠・出産・育児における
妊産婦さん自らの健康管理(セルフケア)
のサポートをする姿勢が求められるようになり

「よいお産」のために
妊婦さんと医療者が話し合いながら
バースプランを決定していくことが
必要になっていきました。

たいていは、
妊娠後期になると産院から
バースプランシートを手渡されます。
簡易的なアンケート形式だと
わかりやすいですが、
自由形式の書き方だと
何をどうかけばいいのか、
困ってしまうこともありますよね。

せっかく産院が
ひとりひとりの希望を叶えようとしてくれていても
妊婦さん自身が書き方が分からなくて
ほぼ白紙で提出、なんてもったいないです。

バースプランは、出産に対する要望書。
お産は何が起こるかわからないし、
赤ちゃんとママの安全が第一なので
提案したからといって、必ずしも
すべてがその通りに絶対なるわけではありません。
急にプラン変更を余儀なくされる
こともあるかもしれません。

でも、書きあがったものよりも、
そのプランがそっくりそのまま叶うことよりも、

バースプランを考える過程で
自然とお産に向き合う時間を持ったり
パパと話し合ったりする過程が
素敵なのではないかと思います。

家族を巻き込んで、何度でも話し合いましょう!
よくわからないときは産院スタッフと相談してみても
いいかと思います。

お仕事をされている妊婦さんや
経産婦さんは、毎日バタバタしていて
なかなかおなかの中にいる赤ちゃんのための時間、
とってあげられないですよね。
だからこそバースプランを考えるその時間だけでも
その子のこと想ってあげられるって
大きな意味がありますね!

ふと思いついたことがあれば
その都度母子手帳にメモっておいても
いいでしょうし、
バースプランを導入していない産院であっても
自由に書いて持っていけば
産院はちゃんと受け入れてくれるはずです。

こんなこと書いたら変な妊婦と思われないかな?
産院に嫌がられないかな?

そんなこと、
まったく気にしないでください!

わたしたち助産師は、
いつだって妊婦さんが幸せをかみしめられるお産を
支援したいと願っています。
助産師はあくまでも黒子。
主体は妊婦であるあなた自身と、あなたの赤ちゃん、
そして旦那さんです!!

だから、妊婦さんが積極的に

「こんなお産がしたいんです」

申し出てくれたら
正直、助産師はがぜん、やる気が出てきます!!
あなたがその気なら、
ガッテン承知!
わたしも精一杯、あなたを支援させてください!!

嬉しくてワクワクしてきます!
助産師冥利に尽きます!

とにかくなんでも思ったこと、
経産婦さんなら、
前回のお産でこう思ったからこうしたいなど、
なんでもいいのでいろいろ書き出してみてくださいね。

お産のとき
ママができることはたくさんあります。
わたしたち助産師もできる限りのことは
したいと思っています。

何でも聞いて、話し合い、不安を解消していくのも
バースプランのよいところ。
「こんなこと関係ないかな?」
と思うような細かいことも
ガンガンぶつけてきてください。

比較的
すぐ思いつくバースプランは

・立会い分娩がしたい
・陣痛促進剤は使いたくない
・会陰切開はしたくない
・カンガルーケアがしたい
・母乳で育てたい

このあたりはスラスラ出てくるかも
しれません。

それら、具体的なプランの
大元になる軸は

『そのときの状態で臨機応変に自由に選べる出産
(アクティブ・バース)』

これこそが、
バースプランの真髄です。

そのときにどうしたいかなんて、
出産が始まってみないとホントは分からないですもの。
だから実は、出産前から「こうして産む」なんて、
決めることなどできないんですけどね〜。

縦形体位が自然だと話しましたが、
もちろん、そのときに
「仰向けで産みたい!」と思ったら、
それでもいいと思いますよ。
分娩のときに「こうしたい」と思うのは、
ひとりひとり違うものだから。
それは、身体の内から出る「身体の声」に従うということ。

お産が素敵なものになれば
その後に待っている子育てのスタートも
前向きになります。

お産はゴールではなく
スタートなんですね♪

もちろん、帝王切開だって
バースプランはたくさんありますよ〜。

出産を自分のものとして
より強く意識することができる、
これこそが真の『アクティブ・バース』であり、
『バースプラン』の本質。

お産のことをわたしに語らせると
日が暮れてしまいます。(笑)
神秘的、感動的なお産の世界に
涙ぐむ参加者さんもいらっしゃって
とても嬉しかったです!

週明けのブログでは
具体的なバースプランの数々、
わたしが過去に実践したものを
一挙ご紹介しますね!

妊婦のみなさま
参考にしてみてください。

次回、HISAKO妊婦教室 step3は
6月10日 10:00~です。

ありがとうございました!

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