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2017.11.24

授乳中の水分補給どれぐらい?

出産後間もないママが乳腺炎になって
来院されました。

おっぱいを診せてもらうと、明らかに水分不足の所見。

「1日どれぐらい飲んでますか?」

尋ねてみると

産院で水分を摂りすぎないように言われたので、
かなり我慢して控えめにしていたそうです。

一般的に
母乳をよく出るようにするには水分!って言われるけど
「あなたは出過ぎるおっぱいだから控えたほうがいい」
と言われたそうです。

また、
「飲みすぎると逆に
おっぱいが出なくなることもあるから注意して」
・・・とも言われました。

水分ほとんど摂らない(飲めと言われるのは拷問です!)
わたしが言っても、全然説得力ないんですが(^^;;

確かに、母乳分泌過多のママは
水分を摂りすぎないように指導することがあります。

とくに夜は控えめに。
なぜなら授乳ホルモンの分泌は夜間に活発になるので、
寝る前に飲んだ水分は全部おっぱいになってしまうからです。

夜中、必ず頻繁に起きて、赤ちゃんが寝ていても叩き起こして
授乳しますわよ!という意気込みのママはいいのですが、
どうしても夜間は、知らず知らずのうちに
目覚ましアラーム消して二度寝しちゃうことは多々あります。

気づけば
「あ!5時間も授乳間隔あいちゃった!」

おっぱいがパンパンになって
目覚めることもあるかもしれません。

だから、夜の水分はちょっと控えめに。
なのです。

成人女性の身体は、70%が水分からできています。
体温調節をする「汗」や
全身に栄養や酸素を送る「血液」
食べものの消化、吸収、排泄に使われる「体液」など
さまざまな体内の水分にわたしたちはお世話になっています。

おしっこや便、汗、呼吸などを通して
毎日約2000mlの水分が排出されています。

そして母乳は90%近くが水分からできています。

生後3ヶ月以降、離乳食が軌道に乗るまでの、
もっともよく飲む時期には
個人差はあるものの、赤ちゃんは1日に
1000ml以上の母乳を飲むことがあります。

ということは、授乳していない人の
1日2000mlの水分排出に、プラスして900ml程度、
つまり3000ml近くの水分が毎日ママの身体から
搾り取られているということになりますね。

普通に考えて、
排出された水分は補給する必要があります。
授乳中のママなら、母乳に使う水分も加味して
補給しなくちゃいけません。

食事からも水分は摂取していて、
それが必要量のだいたい4割を占めます。

なので、授乳していない人なら
おおまかに差し引いて、
「1日1200mlは飲みましょう!!」

授乳しているママだと単純計算でプラス900ml。
「1日に2以上!」
という理論が成り立ちます。

でも・・・

実際、ばぶばぶには、母乳のために必死に無理して水を飲んで
体調を崩したママがたくさん訪れます。
わたしも、そのクチで
授乳中でもあまり水分を欲しいと思いません。

人によって、体質によって、体調や季節によっても
適量は違うと思います。

じゃあどれぐらい飲めばいいんだろう?

それはたぶん、
身体の声に耳を傾けてみるのが一番じゃないでしょうか。
自然にまかせることで適切な水分補給ができると思います。

「水は、飲みたくなったら飲む」

わたしみたいに、飲むことが罰ゲームみたいに感じる体質の人が
飲みたくないのに、
無理して「1日2リットル!」とかノルマを決めて飲むと
結局はおっぱいのコンデションにも歪みがきます。

飲みたいのに、
無理して飲むのを我慢するのも
おっぱいのトラブルにつながると思います。

みんな個性豊かな人間であるように、
水分の摂り方も全員に当てはまるわけじゃないし、
自分の身体が本当に欲しているかどうかは
身体に聞くのが最適ですね!

ただし、授乳中は赤ちゃんのお世話に夢中になりすぎて
ママは自分の身体から発せられる声が
聞こえなくなりがちなので、
ちょっと意識して、「声」と対話するように
してくださいね。

さて、冒頭のママが産院で言われた
「水分を摂りすぎると逆に母乳が出なくなる」
という話。

え?なんで?
どういうこと?

疑問に思った人は多いのではないでしょうか。

水分をとりすぎると、
身体に水が溜まってしまうことがあります。
胃腸を冷やすので、代謝が悪くなったり、
排泄がうまくいかなくなったりして

むくみ、便秘、肌荒れ、冷え性、めまい、耳鳴り、
下痢、吐き気、偏頭痛・・・

授乳中であれば、基底部(おっぱいの根元部分)に
母乳を生成するための血液が溜まって滞り、
円滑に乳腺組織へと流れなくなることが考えられます。
「水分を摂りすぎると逆に母乳が出なくなる」の
真意は、そういうことじゃないかなぁ。

授乳中は、あくまでも母乳生成の働きをじゃましない水分を
摂ってくださいね。

牛乳やジュース、コーヒーなどは
水分補給には向きません。

あ、ちなみにカフェインは飲んだらダメではないですよ。
水分補給としてではなく、嗜好品として
授乳中でも適度に楽しんでもらってOKです。

水分補給としての基本はやっぱり
常温のお水、温かいお茶。

一気にガブ飲みはしないようにしましょう。
一度にたくさん飲んでしまうと、内臓にも負担がかかるし、
血液が薄くなります。
すると身体は、元の濃度に戻そうとして、
おしっこの量を増やします。

ということは。

授乳中には水分だ!と
ガブ飲みをしてしまえば、

その水分は母乳生成に使われるどころか、
全部おしっことして排出されてしまうだけで、
まったくの無意味になってしまいます。

水分補給は少しずつ、頻繁に。
何事も適量というのがあります。
授乳中の水分補給は大事だけど、
飲みすぎていろいろな不調にならないように
しましょうね。

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