発達に遅れがある子どものママは、周囲にどう関わられたら嬉しいんだろう
子どもの発達に関して
悩んでおられるママは本当にたくさんいらっしゃいます。
連日、web相談では
発達の話題が尽きませんが、
今日は、いただいたお手紙の中から
「発達に遅れがある子どもを育てていらっしゃるママは、
周囲からどのように関わってもらうと
嬉しいのだろうか?」
という問題について
考えてみたいと思います。
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私の父は特別支援学校(当時は養護学校)の教諭として
40年近く働いていました。
私が幼い頃、休みの日になると
父の学校に行き遊ばせてもらうことがよくありました。
ある日、学校の廊下で遊んでいたら
知的障害のある生徒さんに
追いかけられ、怖い思いをしたことがありました。
その後、父に
「学校行くけど、一緒に行く?」
と聞かれ、私は
「普通の人がいないなら行きたくない」
と言ってしまいました。
当時、わたしは
小学2年生ぐらいだったと思います。
すると父が怒るわけでもなく
「みんな普通の人だよ」と
少し悲しそうに言いました。
そう言われて
「あ、私はよくないことを言ってしまったな」
と気づいたのです。
そして私は今、母になり
自分の子どもにいろんなことを教えていく
立場になりました。
先日、地域の支援センターで
子どもを遊ばせているとき、
隣のスペースに、おそらく発達に遅れがあると思われる
お子さんとお母さんが来られていて
そのお母さんが浮かない顔をしながら
周りの子どもをぼーっと眺めている姿があり
気になってしまいました。
私は、そのお母さんに対して
何かできる立場ではないのですが
同じ1人の親としてじっとしていられない気持ちでした。
そこでHISAKOさんに伺いたいのは
障害があるお子さんの親御さんは
周囲からどのようにされると嬉しいのか。
または辛いのか。
また同級生に障害を抱えたお友達がいたとき、
どのようにわが子に伝えていくのがいいのか
アドバイスをいただけたら嬉しいです。
さまざまな方がいらっしゃると思いますので
HISAKOさんのお気持ちを知りたいです。
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障害児のママとお話するとき
障害について触れていいのか、
それとも触れずに当たり障りない
世間話で終わらせたほうがいいのか悩みますよね。
いくら言葉を選んで話しても
ほんの些細な一言が
相手を傷つけることもあるかもしれない・・・
って考えると
思いやりをもって
話しかけようと思ったはずなのに
気を遣いすぎるあまり
かけるべき言葉がわからなくなって
不自然な会話になってしまうことも
あるかもしれません。
発達凸凹、発達のんびりの子どもをはじめ、
さまざまな障害児を育てているママにも
さまざまな価値観があります。
わたしのように、
子どもの発達障害を大々的にカミングアウトしている
ママに対してなら、
障害があろうとなかろうと、
子どもを育てているママであることは同じやし、
腫れ物に触るように障害の話題を避けんと
分け隔てない話をしてもらえると嬉しい!!
って思うんじゃないかな。
でもなかには、
「子どもの発達の遅れを知られたくない」
と思っているママもいます。
そんな空気があるときは
核心についての話題は避けて
そっと距離を置いてあげることが思いやりとなるでしょう。
「自分たち親子は、
周囲にどんなふうに見られているんだろう・・・」
大きな不安や後ろめたさを抱えているママもいます。
そんな空気を感じたら
むやにに励ましの言葉や同調ではなく
まずそのママの考え方にしっかりと耳を傾けることが
大事です。
どんな言葉がけでも、
受け取る側の心の安定具合によって
違和感、嫌悪感を与えることにもなるし、
なんの不快感もなく
素直に受け止められることもあると思います。
普段接しているママ友ならば、
その人のものの考え方や価値観が
ある程度わかるかもしれませんが、
そんなに親しくない場合は、
たわいもない会話の中で
相手のほうからポロっと
「つい他の子と比べてしまって・・・」と
ママの気持ちに言及するお話が出てきたら
「そうなんですね・・・比べちゃうんですね。
それはしんどいですよね・・・
お話くださってありがとうございます」
相手の言葉をそのまま返して
ただ聞いて、共感するだけで十分です。
少し仲良くなったら
「わたしには聞くことしかできないし
何も解決してあげられないけど、
あなたの話に耳を傾けたいと思うよ。
何かできることがあったら協力するから言ってね」
という言葉や態度が
相手の心を救うかな。
「がんばって!」は、
もう十分に頑張っている障害児のママの心に
さらなるプレッシャーを与えることになります。
言われなくてもがんばってるよ。
もうこれ以上無理なぐらいがんばってる、
それでももっとがんばらないといけないって
相手を追い込んでしまいかねません。
それと、
「乗り越えられない試練は神様は与えない」
という言葉もしんどいです。
同じ障害児のママに言われたら
そうだな、よし負けないぞ!
という気持ちになるかもしれないけど
健常児のママから励ましのつもりで言われたら
所詮他人事なんだなぁ・・・って
キレイゴトに聞こえます。
「わかる!」という共感もどうかと思います。
同じ苦しみを抱えているママならともかく
わかるはずないですから・・・^^;
「わかりたいと思うけど
心底までわかってあげられずごめんね」
のほうが、嬉しいかな〜。
いやはや、考え始めると身構えちゃって
相手とどう関わっていか
どう声をかけていいか
正解がわからなくなってカチンコチンにフリーズしちゃうので
『うまくお声かけできないかもしれないけど
あなたのことを応援しています。
それがすべてです』
っていう、
温かい気持ちをあなたが持ってさえいてくれれば
たとえちょっとハズした関わりをしてしまったとしても
あなたの心の奥にある思いやりは
きっと相手に届くはずだと思います。