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現在の医療ではわからないことだらけ、切迫早産

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37wの正期産になる前に
子宮収縮が繰り返し規則的に起こり
子宮口が開いたり子宮頸管が短くなったり
早産になる危険性が高い状態を
「切迫早産」といいます。

多胎妊娠や
妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの
妊娠合併症がある場合、
過去に婦人科系の手術をした場合にも
早産は起こりやすくなりますが

もっとも多い原因は、
細菌性膣炎などの感染や、
頸管無力症によるものと言われています。

健康な女性の膣の中には
さまざまな常在菌がいて、
病気を引き起こすよくない細菌の侵入を
守ってくれています。

つまり、膣の中には
いい細菌も悪い細菌も混在しているのが普通で
30%の女性が細菌性膣炎にかかっているとも言われます。
それ自体は決して珍しくないんです。

身体を守るために働く常在菌たちが
病原体になる細菌と戦った残骸が
「おりものが増える」という症状になって
現れる場合もありますが

常在菌たちが病原菌を打ち負かしてくれる過程で
膣内に多少の炎症が起きたとしても
普段、健康なときには無症状であることが
ほとんどです。

妊娠中は『赤ちゃん』という名の、
ママの身体とは別の生命体を異物と判断し
排除することがないように
侵入してくる異物(よくない細菌)に対しても
守りが弱くなり
安易に受け入れてしまうことがあります。

この状態が、いわゆる
『免疫力が落ちている状態』。

病原菌の侵入を許し、
そのまま放置していると
膣炎→子宮頸管炎→絨毛膜羊膜炎→臍帯炎
感染と炎症が上行性に広がっていき
やがて早産を引き起こします。

30w未満の早産では50%以上で
感染が関与していると考えられていて

原理的には、
細菌性膣炎の時点で対処することができれば
子宮内に感染が広がることを防ぎ、
早産を防ぐことができるのです。

(だけど残りの50%の
非感染性の早産は原因不明で
防ぎようがない・・・)

早産を起こさせない妊婦の管理体制は
現在の周産期医療の最大の課題。

膣内細菌叢の異常を診断するために
妊婦健診では適宜おりもの検査が行われます。

ですが、膣内の常在菌、そして病原菌は
数えきれないほどたくさん存在していて
それぞれの病原性はいまだに
明らかになっていません。

よくわかっていないからこそ、
現在の医療では残念ながら
妊娠中の細菌性膣炎の管理方法について
一定の指標が存在しないのが現状なんです。

頸管無力症は、
子宮収縮(おなかの張り)を自覚しないのに
子宮口が開いて、頸管が短くなってきてしまう
状態をいいます。

狭義の切迫早産の定義は
『定期的な子宮収縮がある』なので
頸管無力症は厳密には切迫早産とは
ちょっと異なるのですが

『早産しかかっている状態』という意味では
広義の切迫早産、と言えます。
(ややこしいですね・・・)

無症状なので、妊婦健診でたまたま
見つかります。
もしくは早産になってから頸管無力症だったと
診断されるケースも。

頸管無力症はとにかく、
子宮口に重力をかけないようにする必要があるので
安静治療が基本中の基本になります。

子宮収縮はないので、
張り止めの内服薬や点滴は基本的に
不必要なのですが、

病院によっては、
頸管無力症も『広義の切迫早産』として
予防的に張り止め点滴を行う場合も
あります。

切迫早産は、発症したあとの対応よりも
その予防が第一です。

だけど、そのメカニズムについて
画一化した説明を行うことは困難です。

とてもとても複雑な切迫早産。
今後のさらなる基礎的研究や
エビデンスレベルの高い臨床のあり方が
望まれます。

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