HISAKOブログ

「立ち直る」のではありません。「和らぐ」のです。

Mirai - 「立ち直る」のではありません。「和らぐ」のです。

1年ほど前、わたしは双子を妊娠していました。
でも、双胎間輸血症候群や絨毛膜羊膜炎を発症し、
結果として妊娠23wでの早産になってしまいました。

1人は出産直後に分娩室で看取り、
もう1人やNICUに入ってがんばってくれていましたが
1週間後に亡くなりました。

1週間でかわいいわが子を2人とも失い、
火葬しなければいけない現実は
今まで生きてきた中でもっとも辛く
精神的に大きなダメージを受けました。

たまたま弟夫婦も私と出産予定日が
ちょうど同じぐらいで、
大学時代の友達3人も偶然予定日が近く
安定期に入ったと報告がありました。

数ヶ月後、私以外はみんな元気な赤ちゃんを
出産しました。

私のように辛い思いをせずに済んで、
元気な赤ちゃんを産んで幸せそうなみんなに対し、
安心しましたが、同時にとても羨ましい気持ちに
なりました。

なんで私だけ・・・という辛い気持ちが
大きく なりました。

1年以上経った今も
予定日が同じぐらいだった赤ちゃんを見るのが
とても辛く、
弟夫婦や友達とも距離を置いてしまっています。

会うと
「私の子どもも無事に生まれていたら
これぐらいだったんだな・・・」
と想像してしまいそうで、
自己防衛してしまい、
甥っ子にさえ一度も会えていません。

私の母が、弟の子どもの写真を
送ってきたことがありました。
私はその写真を見た瞬間、
自然と涙が溢れてしまい、胸が苦しくなりました。

写真を見るのもまだ辛いことを
母に伝えましたが

「甥っ子なんだよ?!」

と言われてしまい・・・

こんな自分が嫌になりました。

本来、昔から子どもが大好きで
甥っ子ももちろん特別なかわいい存在なのは
わかってはいますが、
どうしても辛い方が先に来てしまいます。

1年以上経った今でも
写真さえ見られない私はおかしいでしょうか。

このまま何もせず時間が解決してくれるのを
待っていたら、
いつか心の整理がつき、
自然と会いたいと思える日が来るのでしょうか。

最近、辛いけど逃げてばかりいないで
会ってみたほうがいいのかなとか
考えたりしています。

乗り越え方や何かいい考え方、
向き合い方があれば
教えていただきたいです!

↑↑↑

わたしは誕生死や生まれてきた子どもの死を
経験したことがありません。

なので、実際にわが子を失う苦しみを
本当に理解することは
到底できないかもしれません。

経験がない前提ではありますが
このような悲しく辛いできごとを
体験された多くの女性たちと関わってきた
助産師としての想いをお話したいと思います。

わが子を失ったママの心の傷は
そう簡単には癒えません。
悲しいのは当たり前です。
いつまでも立ち直れなくて普通です。

いえ、死ぬまで
立ち直れなくてもいいんじゃないかとさえ
思います。

妊婦を見るのが辛い、
赤ちゃんを見ると呼吸が苦しくなる、

わたしだって今ごろ赤ちゃんと楽しい毎日を
過ごしていたはずなのに・・・

妬みやひがみ、黒い感情が
沸き上がってくる自分が恐ろしい。

あの女性も
わたしと同じ苦しみを味わえばいいのに!!

そんな思いが頭をよぎり、自己嫌悪。

気持ちの持って行きどころがわからず
迷路から出られなくなって苦しんでいる女性たちが
わたしのところに来られます。

子を失うというのは、
人生でもっとも悲しいできごとです。

1年、数年・・・
そんな短いスパンで割り切れるほど
浅い傷ではないはず。

周囲の人たちとの関わりも
悪気もなく明るくされるとモヤっとし、
余計な気を使われるのにも腹が立ち

結局、何を言われても
相手がどんな態度を取っても
普通でいることができず

全部ネガティブなひねくれた捉え方を
してしまったとしても

それはあなたの人間性の問題では
ありません。

例えば不妊専門のクリニックは
子連れ禁止の施設も多いですよね。
みんないろんな思いを抱えながら
理性と本能的な感情の狭間で戦いながら
治療に通っておられます。

それほど『妊娠』『子ども』についての事柄は
繊細なことなのです。

心が悲鳴をあげているときには
無理をする必要はありません。
甥っ子ちゃんに会おうと心底思える日まで
自分の心を一番に大切にしてあげてほしいと
思います。

生きている赤ちゃんを産むことが。
それ以前に妊娠することが、
いかにミラクルなことなのか。

不妊、流産、死産・・・
当事者になって初めてその奇跡に気づきますね。

時が経てば、
悲しみや苦しみはだんだん和らいでいきます。
でもわたしは、『和らぐ』と『立ち直る』のは別次元の話だと
思っています。

完全に立ち直ることができないままでも、
甥っ子ちゃん含め、
知り合いや家族に普通に会うことができる日は
必ず来ます。

ただ、どれぐらいの時間がかかるかは
人それぞれ。

心の傷というのは
見た目ではまったくわかりません。
自分を自分で支えるのが精一杯で
そのことで必死なときほど
他人のちょっとした言動なんかに
敏感に反応してしまいますよね。

そのたびに感情が安定せず
ときにはとても醜い姿をさらすことに
なることもあり、
それがまた自己嫌悪につながってしまいます。

辛くて何も見えない時期もあっていいのです。
自分に素直に正直であることが一番だから。

怒りがこみあげてくるときは
その感情を出せばいい!

泣きたいときは
声をあげて泣けばいい!

誰からなんと言われようとも
会うのが怖い気持ちが勝つのなら
会わなくていい。
どうか慌てないでください。

そして、もうひとつ。
勇気を出して、甥っ子ちゃんに会ってみる選択肢。

会いに行く前より
会ってしまったほうが気が楽になる
というのはあるかもしれませんね。

会うべき子どもに
会いたくないと思ってしまう自分、
その一歩を踏み出せずにいる自分、
そして家族に気を遣わせている事実・・・

進めない状態で立ち止まっているほうが
しんどい場合もあるかもしれません。

会ってみたら案外大丈夫かもしれない。
会ってみたらやっぱり辛いのかもしれない。

でもどう感じるかなんて
やってみないとわからないんですよ。

あるいは、
会ったら辛くて苦しくて全然大丈夫ではなかったけど
とりあえずミッションクリアで
なんだか肩の荷が下りた・・・
という感覚になる可能性だってありますよね。

少なくとも
会いに行くのか?それとも行かないのか?
いつまでこの状態を続けるのか・・・

という負のループからは解放されます。

会いに行かないことで
あなたが心穏やかに過ごせるのなら
行かなければいい。

そのことで悩み続けるのもキツイのなら
えいや!と気合いでがんばって
そこから解放されてしまったほうが
精神的に楽になることもあるかと思います。

やっぱり会えない・・・という結論に達したとしても
確実に言えるには
決して後退しているわけじゃないってこと。

ちょっとずつ・・・ちょっとずつ・・・
本当にゆっくりですが
あなたの心は前進しているはずです。

きっとまだまだ、
これからの人生、いろんなことがあります。

数十年スパンで物事を考えて、
おばあちゃんになったときに

あんなことがあったな〜
あれは辛かったな・・・

決して『立ち直った』のではなく

『和らいだ』心で

昔のできごとを
穏やかに話せる日が来たら
それで万事OKなのかな、と思います。

 

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