HISAKOブログHISAKOブログ
2014.05.12

いのちって・・・

あるママがお電話をくださいました。

彼女には
2歳8ヶ月と1歳ちょうどの
2人のお子さまがいらっしゃいます。

つい先日
1歳の下の子が
突然死症候群で亡くなったそうです・・・

突然。

本当に突然の出来事でした。

HISAKOさんならどんな風に考えますか?
この気持ちをどこへ持っていけばいいんだろう?

ブログで取り上げて欲しい。

そうおっしゃいました。

わたしは2回の流産と、
おなかの中で双子の1人を失った経験はあるけれど
この地球上に産まれてきてくれて、この胸に抱くことのできて、
ともに歴史を積み重ねてきた子どもを失ったことはありません。

11人もの子宝に恵まれたわたしが
ここに想いを綴ることが
もしかしたら子どもを失った経験のあるママたちの心を傷つける
ということもあるかもしれません。
そうであれば申し訳なく思います。

昔、産婦人科で働いていた頃、
何度か死産を経験しました。

流産処置、人工妊娠中絶の手術はほぼ毎日でした。

手のひらにおさまるぐらいの小さな赤ちゃんが
一生懸命、生きよう、生きよう!って
全身で呼吸をしようとする姿を見てきました。

小児科病棟にいた頃には、小児がんで亡くなっていく子どもを
看取ってきました。なので子どもを失ったパパママの心のケアも
わたしの大切な仕事のひとつでした。

助産院を開業してからも、たくさんの「産まれました!!」
嬉しい報告や子どもたちの健やかな成長の狭間で
ばぶばぶにずっと通っていらっしゃった赤ちゃんが
立て続けに2人、乳児突然死症候群で亡くなる
ということを経験しました。

混乱、恐れ、不安、絶望の縁に立つなか
空虚になったママがわたしのところに来てくださり
一緒に抱き合って涙が枯れるまで泣いたことがあります。

そんな中で芽生えた揺るぎない信念は

親を苦しめたくて病気になったり
亡くなった子はひとりもいない

ということでした。

ばぶばぶで、毎月のようにママと一緒に
成長を喜び合っていたはずなのに。

「なぜこんなことになったのか?」

「どうして気づいてあげられなかったんだろう」

憔悴しきったママを抱きしめながら
子どもの死の意味を自分に問いかけわたし自身も苦しみました。

当時、わたしのおなかには9人目の赤ちゃんがいました。
ちょうどNHKの特番、「いのちについて語ろう」の
撮影が始まったばかりの時期でした。

カメラで撮られている最中に
赤ちゃんが突然死したことを知らせる
パニックになったママからの電話を受けたんです

HISAKOさんー!
子どもが息をしてない!
どうしよう、どうしよう〜!!!!

生きていること。
生かされていること。
いのち。

わたしのおなかのなかの
これから生まれようとする力強いいのち

突然消えてしまった
はかないいのち。

残された者の心

「いのち」って何なんだろう・・・
なんだかとても切なくなって
音のするものすべてがイヤになり、
ただじっと数日を過ごしました。

唯一わたしをなぐさめてくれるものがあったとすれば
それは自然でした。
山々、緑、おだやかな風、夕日にどんなに癒されたかわかりません。

亡くなった子どもは、誰かを苦しめることを望んでなんかいません。
責任者探しをしたところで、その子はもう戻ってはこないんだから。

そんなことをして何になる?
亡くなった子どもが悲しむようなことをするのはやめよう。

何か大切なことを気づかされました。

いのちの使命。
なぜ1年間だけ彼女の子どもとしてやってきてくれたのか。
あの子はいったい何を伝えたかったのか。
わたしたちに与えられた課題は何なのか。

もちろんすぐに導き出せない答えばかりですが
ひとつだけはっきりしていることは
あの子は決してわたしたちを苦しめたくて
死を選んだんじゃないってこと。

むしろあの子はあの子なりに
もしかしたらもっと早くに天に帰る運命だったのに
必死に頑張ってくれていたのかもしれないということ。

だとしたら親としてできることは、あの子が喜ぶような生き方を
目指すこと。

自分自身の流産体験、産んであげられなかった双子ちゃん。
いまだに立ち直れずに涙を流すこともあります。
「立ち直った」という言葉は子どもが亡くなったことを
なかったことにする言葉、その子の存在を否定することのように
感じてしまうことがあります。

そう考えると無理に「立ち直り」を期待する必要はないのかなって
思ったりもします。
むしろ『亡くなった子とともに生きていく』というほうが
楽なのかもしれません。

子どもをなくすという経験は自分にとって一生消えない悲しみです。
だけど、その子が結んでくれた人生があります。
その延長上に生きる自分たちを
大切にしなければけないと思います。

亡くなった子のことをいつまでも覚えていてくれる人が
この世に存在すること。それは決して悲しみをひきずることではなく
わが子を心の中で育むことを意味するのだと思います。

姿のないわが子とともに生きられるようになったとき
親ははじめて次の人生に踏み出せるのかもしれません。

お電話をくださったママ

お名前さえ聞くことができませんでした。
本当にごめんなさい。

あなたの苦しみ、悲しみが
時間をかけてゆっくりゆっくり
癒えていきますように・・・。

たくさん泣いてあげてください。
たくさんたくさん
想ってあげてください。

この世に存在したわが子を
ずっと忘れないで
心の中で育んで
いつまでも深い絆のもとに歩んでいってくださることを
祈っています。

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