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2016.01.12

つながるいのち

大阪市東住吉区では
いのちの大切さを子どもたちに伝え、考えてもらいたいと
今から6年ほど前、地域のママたちが立ち上がり
ボランティア団体『はんどinはんど』を結成しました。

それから毎年
保育園や小学校に出張し、
「いのちのつながり授業」を続けています。

わたしも助産師として、
立ち上げ当初から参加させていただいていますが
先日、ともに活動を続けてきた仲間が
亡くなりました。

享年42歳。
6年生と1年生、2人のお子さんのママでもあった彼女は
闘病の末、息を引き取りました。

昨日、告別式に参列させていただき
「いのち」について真剣に考えました。

子どもを残して逝ってしまった彼女の心。
残された子どもたちの今にも壊れてしまいそうな心。
彼女のお父様、お母様、
そして旦那さま・・・
彼女を取り巻く心優しい仲間たちの心。

たくさんの参列者に
彼女の人望の厚さ、
彼女に支えられてきた人たちが
数え切れないほど存在していたことに
胸が熱くなりました。

僕の妻である以前に
社会で必要とされている妻だったことを
実感しています

旦那さまの言葉が
響きました。

人は、生まれて死にます。
それが自然の摂理です。
でも、わかっていても親しい人の死は
受け入れられないのも事実です。

彼女が生きているうちに
「もっとこうすればよかった」と
あれこれ考えて後悔したり、
こらえようのない痛みに心が
むしばまれてしまいそうになります。

逝ってしまった彼女に
わたしたちが今できることはなんだろう?

「そばにいる人、今大切に思える人を大切にする」

「彼女の分まで精一杯に今を生きる」

これこそが彼女がわたしたちに授けてくれた
最大の教えであり願いなのかな、と思います。
彼女は身をもって、いのちの尊さを教えてくれました。

仕事や人間関係など、今抱えている悩みなど
こんなに悲しく辛い経験に比べれば
どれほどちっぽけに感じるでしょうか。

「生きること」や
「いのちの大切さ」は、
言葉や理屈ではなく、体験や経験
そのものだということを身を持って実感しました。

わたしたちがもし、
限られた人生を精一杯生きることができたなら
彼女は、死後の世界で「よく生き抜いたね」って
笑顔で迎えてくれることでしょう。
だからこそ、どんなときでも素敵に生きるべきなのですよね。

人はみんな、無垢な赤ちゃんで生まれて
大きくなるにしたがって「自我」を身につけます。
「自我」こそが生まれてきた意味。
自我があるから、悩み、苦しみ、つらい経験をするのです。
たくさんの経験のなか、ひとつずつ「自我」を脱ぎ捨てていく。
一歩一歩成長していく・・それが人生です。

花は美しく咲いた後には、種子を残し、枯れていきます。
そして、次の季節には再び花を咲かせます。
同じように、人は生まれ、子どもを育て、
そして死んでいきます。
このように生命は子どもへと引き継がれている・・・

彼女は自然の摂理を全うし、
2人の子どもという生命をここに残しました。
子どもたちの生命がさらに引き継がれ、
生命は未来へと絶えまなく流れていきます。

彼女の2人の子どもたちは、
かけがえのないお母さんのいのちを失いましたが、
子どもたちの生命が、また新しい生命を
この世に与えることもできるかもしれません。

肉体はなくなってしまったけど、
彼女の魂は、脈々と受け継がれていきます。
それって、言葉じゃ言えないほど
素敵なことだと思います!

告別式からの帰り、街には
老若男女さまざまな人たちが歩いていました。

その人たちの100年後のことを考えてみました。
きっとほとんど全員が寿命を終えているでしょう。
でも、その街の100年後には、やっぱり今日と同じく
さまざまな人々が歩いているのですよね。

「生」の数だけ「死」があり、
そして、100年後に歩いている人たちは、
彼らから「生」を受け継いだ人たち。

こうして川の流れのように、
「生」は流れているんだなぁ・・・と
思いました。

告別式に「いのちのつながり授業」の
ボランティア仲間のママが
生後1ヶ月になったばかりの第4子の赤ちゃんを
連れてきていたんです。

すすり泣いている大人たちに混じって
その子が式の途中でグズって泣き出したのを
見て思いました。

赤ちゃんは泣いたあとすぐ笑います。
赤ちゃんは悲しいことがあったからといって
いつまでも泣き続けることはありません。
過去にとらわれず、未来を憂いません。
自由で無垢で天使のような存在です。

ただ純粋に、生きることしか考えません。
ただ純粋に、愛を求めて、愛されます。

そんな生き方を見習いたいなぁ・・・。

人の「死」についての
受け止め方は人それぞれだけど、

死=悪いこと、悲しいこと、怖いこと

そんな漠然とした負のイメージが先行しがちです。

だけど、人が生まれて、いつか確実に迎える「死」は
誰もが疑わない真実なんですよね。

病気にかかってしまったとき
すぐ治る人もいれば、治らない人もいます。
病気が治らなくても生き続ける人もいれば、
彼女のように亡くなってしまう人もいます。

自分では病気になるかならないかはわかりません。
病気になって治るかどうかもわかりません。
病気によって死ぬかどうかもわかりません。
何歳まで生きるのかなどわかりません。

自分の死に方、死ぬ時はわかりません。
さらに、死んだ後のことなどわかるはずもありません。
わからないから死は怖いのですね。

「死」は人の意思を大きく越えた、
大いなる意思によって必然的に迎えること。

おなかの中で亡くなるいのちもある。
生まれてから間もなく亡くなるいのちもある。
老衰まで全うできるいのちもある。

「いのち」の長さは人それぞれだけど

人の力ではどうすることもできない「いのち」の長さを
いつまでも悲しんだり嘆いたりばかりでは
彼女は天国から
「もう〜みんな笑ってよ!」って言うかもしれません。

「死」を自然の現象のひとつと受け止めていけたなら、
「生きること」をもっと大切に考えられるように
なると思うし、「生きていること」にもっと素直に
感謝でき、ささやかな幸せを見つけられるようになり、
人に気遣いをもって接することができるようになり、
人生そのものが幸せな方向に向いていくような気がしました。

どうしようもないからこそ、
与えられた「生」の時間を
大切に生きていかなくちゃいけないと思います。

自然災害もそうだけど、
自然の力の前には人の力などあまりに小さいものです。
世の中には、どうあがいても無駄なこともある。
できることは、そのことを受け止め
力にして前に進むことだけです。

命の尊さ、人の温かさ、優しさ、
愛情、感謝、自然の力・・・

わたしたちに、その何かを伝えるために生まれ、
死をもってさまざまな気付きや学びを伝えてくれた彼女に
「ありがとう」の感謝しかありません。

前を向き、残りの与えられた自分の人生を
しっかりと生きていきますね。

来週から2校続けて
小学校4年生向け「いのちのつながり授業」を
控えています。

彼女の意思。
彼女の望んでいたこと。
彼女の熱い想い。
彼女の「いのち」を

ボランティアスタッフたちとともに
子どもたちにしっかりと伝えてきます!!

あなたの作ったボランティア団体『はんどinはんど』です。
作ったからにはこれからも見守ってください。
そして天国から、魂で
いのちのつながり授業に
しっかり参加してくださいね。

千佳さん!
ありがとう!!!!!

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