HISAKOブログHISAKOブログ
2016.09.28

『タネを採る』

わたしの自宅周りの農家さんたちの畑は、
もうとっくに夏野菜の残骸を片付け、
すっかり秋冬モードに様変わり。
冬の野菜の種まき、苗植えの季節を迎えています。

でも、
自然農をつらぬくばぶばぶファームは、
ちょっと様子が違います。

もう10月になろうというのに、
いまだにトマト、ナス、ピーマン、ししとう、オクラ・・・
収穫の時期を逃してしまった夏野菜が
枯れつつもそのままの状態〜。

実は、お世話になった美味しい夏野菜たちの
タネ採りに挑戦しようと
もくろんでいるんです!
放置は決して、ズボラなのではありません。^ ^

タネを採るためには
実がかなり大きくなるまで熟させるため、
旬の季節が終わっても、
しばらくはそのままの株を
畑に残しておかなければいけません。

そして、ようやくタネを採っても、
洗ったり干したりと時間と手間がかかります。
買ってきた方がよっぽど効率がいいのだけど、

長い目で見ると、
面倒なことが豊かさに通じるんですよね。
子育ても農業も
手間をかけることに豊かさがあり、
畑を通してその共通性を
実感している今日このごろです。

「タネ」がなくてはわたしたちは生きていけません。
「タネ」はまさしく命の結晶です。
「タネ」の可能性の宝庫です。

わたしのおなかにいる赤ちゃんも、
「タネ」がなければ
ここに存在しなかったのだから。

受精卵が胎内に着床し、
脅威のスピードで
タネの何倍もある3000gにまで育つって
すごいことです!

もともとは、たったひとつの
小さな小さな「タネ」だったのに。
生命をつなぐ力というのは、
なんというパワーでしょうか!

先日の日曜日、
大きなおなかを抱えて、
フーフー言いながら
ナスのタネ採りをしました。

こんなに小さな1mmほどしかない一粒が、
大きな株を作り、
何十個もの水々しいナスの実を
育てるんです。

そんなことを考えながら
土の上に座り込んで
一粒ずつ根気よくタネに向き合っていたら
出産予定日を1週間後に控えたわたしの
おなかが激しい胎動で波打ちました。

「タネ」の不思議な奇跡を感じずに
いられませんでした。
なんてワクワクするのでしょうか!

畑を始めた頃は、
タネも苗も「採る」という発想はなくて
買うものだと思っていました。

その後、自然農の師匠に
前年の秋に畑で採種した
たくさんの野菜のタネを
分けてもらいました。

それを蒔いて、また野菜を育て、
また秋に種を採って・・・と繰り返すのが
自然農の真髄だということを教わりました。

「タネは自家採種した方が、
その場所の環境に順応して育てやすいんだよ」

なるほどなぁ〜〜。
時間をかけて
環境適応能力ができていくんですね。

タネには大きく分けて交配種と固定種があります。

今、あちこちで売られているタネは
ほとんど大量に肥料を与えることを前提に開発されている
交配種です。

遺伝子組み替えは、みなさんご存知のように、
人間に都合のよい遺伝子だけを
組替えてできた野菜です。

現代の農業では、同じの規格のものを大量に
作ることが求められます。
それには、交配種のタネから育った
同じ生育の仕方をする、型にはまった、同じ時期に
収穫できる野菜でなければ出荷できません。

ちなみに、交配種は遺伝子組み換えによって
1回きりしか作物ができません。
できた野菜のタネを蒔いても
もう芽が出ることがありません。
これらは、オシベがない、
生物学的には異常なタネなんですって!

子孫を残せない野菜を食べている
わたしたち・・・
それってめっちゃこわくないですか?

タネなしぶどう
タネなしスイカ

今の人の「おいしい」は
甘くて柔らかいもの、
生で食べられるもの。
タネなしは食べやすくてラッキー。

タネは生きものです。
そして、命そのものです・・・。

その「タネ」を邪魔だというような
世の中になってしまうのは
おそろしいことだと思います。

これは人間にもあてはまります。
1940年代には、
ヒトの精子1ccあたり、精子は平均1億5000万
いたそうです。
でも今は4000万・・・
しかも年々減り続けています。

ヒトの「タネ」は
大丈夫なんだろうか・・・
不安になります。

肥料を与えて育ったタネは
次の世代も肥料なしでは生きていけません。
「遺伝子組み替えは危険」
と何気なく思っている人は多いけれど、
実際のところ遺伝子組み替えの野菜を
食べ続けたらどうなるのかはわかりません。

現在、わたしたちを含むすべての人類で
大規模実験中なんですよね・・・。

一方、固定種は代々受け継がれ、
伝えられてきた昔ながらのタネのこと。
一粒ずつに特徴があり、多様性があります。
早く育つものもあれば、遅く育つものもあり、
とても個性的!

同じ畑で育った野菜のタネを何年も
採り続け、育て続けることによって、
その土地の気候や風土にも、育てる人のやり方にも、
そして味の好みにも合った、オリジナルの野菜、
オリジナルのタネができます。

固定種の野菜は香り・味ともに
ずば抜けたおいしさを発揮します。
「『持ち込まず、持ち出さず』 で、
永続しているのが自然界の姿なのですね。

だから、自然農では
育った野菜のタネを採っておくことは
ごく当たり前のことなのだそうです。

ばぶばぶファームのタネ採りは
まだ今年が初体験。

先は長いなぁ・・・
うまくいかないこと、失敗の連続で
試行錯誤してばかり。
でも、しかたがない!
継続は力なり、です!

すぐに結果を求めても
どうにもならないところや
コツコツ進むことでいつかやっと花開くところが
本当に、子育てそっくりです。

草むらにこぼれて育った野菜は必死に生きます。
周りの草に負けないよう葉を伸ばし、
栄養のあるところへ出来るだけ根を伸ばし、
そして次の世代はこの状況でも
たくましく生きたいけるタネを残そうとします。

植物は、人間に食べられるためじゃなくて
自分の子孫を残すために生きているんだから
自然界では、ほっとけばみんなタネになるんです。
たくましい雑草たちがいい例ですよね。

同じところにタネをこぼし、
同じところで芽を出し、
同じところで育ち、
またタネをこぼす・・・。

1年後に発芽するヤツ、
2年後に発芽するヤツ、
10年後100年後に発芽するヤツ、

無肥料の畑でこぼれダネで育ち続ける野菜は
すさまじい生命力を持っています。

地面がアスファルトに覆われようが
じっと待つことのできるタネを生み出すことができるのが
固定種です。

100年後にひび割れたアスファルトから
芽を出すなんて
ロマンチックではないですか〜♪

人間も同じ。
勉強のできる子、苦手な子、
運動神経のいい子、大食漢、せっかちな子、
人の何倍も時間をかけて開花する子・・・
そして、現在妊活中のあなたも。

何のために個人差があるのか?

存在するすべてに
ぴったりの理由はいつもあると思います。

こぼれタネを繰り返していると
どう考えても考えられないほどに
バカでかい菜っ葉など、
たまにすごいのが出現することも
あるのかもしれません。

いろんなのがいてひとつの世界。
いろんな価値観、いろんな個性を持つ
さまざまな子どもたち、
さまざまな人間がいて、いいのですね。

自然農では、
ばぶばぶファーム独自の生態系が
数年先には生まれることでしょう。

人間社会でも、
自然体で生きていれば
あなたを取り巻く独自の環境が生まれ・・・
そこには不自然なひずみは生じないはず。

その先、5年、10年
どうなっていくのかは誰にもわかりませんが、
大量の農薬、化学肥料という
レールを敷いた一律した交配種の子育て、人生よりも、
何年もかけて固定種・・・
その子の個性を輝かせてあげることで
いのちはキラキラしたものになるに違いない!

と思います。

見守るっていうのは本当に難しいことだけど、
わたしはただ、
子どもたちにじっくり心を寄せ、
あくまで無農薬、無肥料で
野菜の周りの草を刈るだけです。

いろんな野菜、いろんな人がいて当たり前なのです。
野菜は、よい形、よい味のものばかりだと
なぜか病気などに弱くなってくると
師匠は言ってました。

畑も、子育ても
祈り、感謝し、
ありったけの愛を送り続けることだけですね♪

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