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2019.11.15

乳腺炎でたらい回し!

彼女は出産後、幸いにもおっぱいは順調でした。
ちょっとヤバイ?と感じたことは何度かありましたが、
そのつど、赤ちゃんにしつこく飲んでもらったら
解消していました。

うわさの乳腺炎・・・
めちゃくちゃ痛くて、高熱が出て、しんどいらしい。
まるでインフルエンザみたい、と
いろんなママ友から聞いてはいましたが、

かかったことがなく、
みんなたいへんそうだなぁ・・・と
どこか他人事だったそうです。

そんなある日のこと、

ん?なんかおっぱい痛い?

授乳すると赤ちゃんは
くわえてはちょっと吸って、止まってママを見上げ、
口を外す、を繰り返し、最後はのけ反って怒り、
集中して飲んでくれませんでした。

真面目に飲んでくれないから
授乳後もおっぱいは軽くならず・・・
嫌な予感がしたそうです。

「おかしい」と直感してから
みるみるうちに身体がだるくなっていきました。
全身の関節が痛くなり、強烈な寒気と悪寒、
あっというまに体温上昇、39℃超え!!

あまりにも痛くて腕も上がらない状態で、
翌朝、フラフラになりながら鏡で見たら
片方のおっぱいの一部が真っ赤になっていました。

授乳中のおっぱいの痛み、腫れ、しこり、高熱、
うわさの乳腺炎だとすぐにわかったそうです。

乳腺炎の症状についてはママ友から聞いていたけど、
どこを受診したらいいのか?

おっぱいのトラブルだから、
「乳腺」って名前がついているところに行けば
間違いないかな?

そう思った彼女は、近くの乳腺外科に
飛び込んだのでした。

受診した乳腺外科ではマンモグラフィー、エコー、
乳がん検診をされました。

高熱でフラフラなのに、
乳がん検診って今、必要?

疑問を感じましたが、
抗議するパワーさえもなく・・・

血液検査では炎症反応が高く出ました。
そりゃそうですね、高熱を伴う重度の乳腺炎ですから。
わざわざ調べなくても
炎症反応が高値なのはわかりきっています。

赤ちゃんが嫌がってちゃんと飲んでくれないので
適切なおっぱいマッサージをしてほしいと訴えましたが、
触診も視診もろくにしてもらえないまま
「ここで乳腺炎のマッサージはできません」
と言われ、

炎症に対して、抗生剤を処方してもらい、
さらにフラフラになりながら帰ったたそうです。

薬はもらったけど、
赤ちゃんが飲んでくれないおっぱいは、今にも爆発しそうでした。
乳腺炎はひどくなると切開しなければいけないという
話も聞いていたので、とても恐ろしかったそうです。

近くの総合病院に電話したら、
受付の人に「外科で診ますので来てください」
と言われました。

切開だけは避けたい・・・
彼女は意識もうろうとしながら、
必死で病院に向かったそうです。

やっとの思いで外科の受付に行くと、
「乳腺炎は外科では診られないから
産婦人科の母乳外来へ回ってください」

倒れこむようにして産婦人科にたどり着き、
ようやく診てもらえると思ったら、

「申し訳ないのですが、
他院で出産された方は診られないんです」

突き放すような一撃をくらいました。

里帰り出産だったので、
産んだ産院までは、あまりに遠くてとてもじゃないけど
行けません!

必死で訴えましたが、
「決まりなので。ごめんなさい」と門前払い。

これが日本の医療の現実なんですよね・・・。
たらい回しっていうのは、こういうこと。

身体はしんどい、
さらに精神的にもズタズタにされ、
諦めて家に帰ったところ
お隣に住むママさんが、声をかけてくれたそうです。

「かくかくしかじか、
乳腺炎でたらい回しになって・・・」

お隣さんが教えてくれたのが
ばぶばぶだったそうです。

授乳中のおっぱいトラブルをきちんと診られる場所は
本当に少ないと思います。

高熱が出るから、内科?
産後のことだから、産婦人科?
乳腺に膿が溜まっているから、外科?
おっぱいのことだから、乳腺外科?

迷いますよね。

授乳中のおっぱいエキスパートは助産師です。
乳腺炎になったら、まず駆け込むべきは
地域で開業している助産院や、母乳相談室です。
ですが、その存在を知らない人も多いです。

本質的には、
産婦人科を受診する判断も適切なのですが、
彼女がたらい回しにあったように、
「産んでない人は診られない」と言われることもあり、

スタッフが忙しいのはわかるけど、
藁をもすがる気持ちで助けを求めに来られる
患者さんに対して、クールに診察拒否って、
日本の医療はほんとイケてない!って思います。

また、産婦人科であっても
母乳育児にあまり力を入れていない施設では
乳腺炎自体、診れませんと断られることもあります。

産婦人科やのに!
なんでやねん!!

診てもらえたとしても、
乳腺を傷めつけるだけの雑なマッサージをされて
おっぱいに青あざを作ってばぶばぶに
駆け込んで来られるママがいたり、

しこりを長時間ゴリゴリ揉まれたことで
炎症を悪化させて助けを求めに来られるママもいます。

今日、乳腺炎でばぶばぶに来られたママは
病院の母乳外来で

おっぱいが冷めたい!
まずい母乳だから赤ちゃんが嫌がるのよ。
乳腺が詰まって乳腺炎になったのは、
母乳の質が悪いせいね。

と、怒られたそうです。

「あなたの母乳はまずい」
「あなたの乳質は最悪」
「まずい母乳を赤ちゃんに飲ませている」

そんなこと言われたら傷つきませんか?
わたしだったら泣いちゃうかも。

確かに、今の季節、
冷え性や肩こりで血流が滞って
おっぱいが冷えているママは多いのですが、
「おいしくない」ことをそんなに強調して伝えなくても
いいんじゃないのかなぁ・・・。

わたしだって、冷え性ですよ。
冬はいつも手が冷たくて、ママたちのおっぱいに
素手で触れるのが申し訳ないぐらい。

それを頭ごなしに「あなたが悪い」って言われても・・・
これでも一生懸命生きてるんですっっ!

「母乳がまずいから赤ちゃんが飲まず、乳腺炎になった」

このニュアンスは確実にママを傷つけます。

「乳腺炎になったから母乳がまずくなり赤ちゃんが飲まない」

こっちのほうが正解じゃないかなぁ?

化膿性の重篤な乳腺炎にかかったときは
抗生剤のお世話になりつつ、手技で
おっぱいの奥が筋肉に貼りついてしまわないように
優しく癒着を剥がしながら排膿していきます。

うっ滞性の軽度の乳腺炎のときは
助産師の手技で、溜まった母乳を排乳させて
炎症を抑えていきます。(抗生剤は必要ありません)

辛い乳腺炎にかかったママたちに
医学的に適切な診療と支援を与えられるように、
体制を整えていかなければならないと思います。

もっと気軽に行けるおっぱいケア施設が
増えたらいいのに。
そして支援する助産師も、その知識を
時代に合わせてアップデートしていくことが
大事ですね。

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