HISAKOブログ

糖水より母乳を飲ませたかった(帝王切開)

teiou sekkai - 糖水より母乳を飲ませたかった(帝王切開)

ばぶばぶに、帝王切開で出産されたママが
来院されました。

本日、産後14日目。
まだおっぱいの状態は安定せず。
赤ちゃんは上手に飲めずにおっぱいをくわえたまま
すぐに眠ってしまうような状態でした。

妊娠中は切迫早産で
妊娠32wから35wまで入院、
子宮収縮抑制剤(ウテメリン)での点滴管理で
おなかの張りを抑えていました。

36w、ウテメリンを中止した途端
陣痛が始まりました。
お産は、途中まで自然分娩でしたが
赤ちゃんの心拍が下がり、戻らなくなってしまったため
全身麻酔での緊急帝王切開になったそうです。

ママは、母乳育児を希望されていました。
生まれた赤ちゃんに、はじめに飲ませるのは
母乳にしたいと考えていました。

ですが、ママが麻酔から目覚めたとき
赤ちゃんはすでに微量の糖水を
哺乳瓶で飲まされていて、
ママはショックを受けました。

「赤ちゃんがおっぱいをうまく飲めないのは、
あのとき勝手に糖水を飲まされたことが原因。
母乳育児の立ち上がりに影響したのは
あのときの糖水だと思っています」

と、ぶつけどころのない
憤りを話してくださいました。

そうですよね・・・
切迫早産での入院生活は
たいへんだったと思います。
不安だったことでしょう。

そして、まさかの帝王切開。
予定外の出来事の連続で、
ママの気持ちが追いつかないのは無理もないと思います。

だからせめて、
「母乳で育てたい!」

そう考えるのはとても自然ななりゆきですよね。

「赤ちゃんは3日分のお弁当と水筒を持って生まれてくる」
という文言をご存知でしょうか。

生まれて3日間は、ろくにおっぱいが飲めなくても
赤ちゃんはちゃんと生きていけるように
できている、という内容です。

おっぱいを吸わせて吸わせて、
何度も吸わせることで
母乳育児は早期に確立されるというものです。

ママは妊娠中、ベッドの上で
このような母乳育児のメカニズムを
熱心に勉強されていたのです。

昔は、帝王切開では、
産後3日目からの授乳開始がスタンダードでした。
術後はまずゆっくり静養してね
という産院側の配慮だったのでしょうね。

ですが、現在では帝王切開でも、
ママと赤ちゃんそれぞれに
なんらかの問題や合併症がなければ
経膣分娩と同じように早期に授乳開始してかまわないと
言われています。

帝王切開では、基本的には
局所麻酔(脊椎麻酔や硬膜外麻酔)が選択されます。
背中の神経の束の近くに薬を投与するので
おなかから下半身の感覚がなくなりますが、
局所麻酔は脳には作用しないため
ママの意識ははっきりしています。

なので、術後はすぐ、ママは手術台の上で
赤ちゃんに授乳することができます。

一方で、緊急帝王切開の場合。
赤ちゃんの心拍が急に落ちたり、ママに出血が起こったときには
局所麻酔より早く効果が現れる全身麻酔が選ばれます。
彼女は、このパターンだったと思われます。

全身麻酔では、
ママが完全に覚醒し、授乳できる状態になるのには
だいたい4時間ぐらいかかりますが、
それでも、ママが目覚めたら授乳開始することができます。

ですが、それはあくまでも、
ママと赤ちゃんの状態が安定している場合に限ります。

生まれてすぐ、
どんな状態の赤ちゃんでも、
糖水を与えるマニュアルがある産院もありますが、
それは赤ちゃんが低血糖を起こさないためです。

確かに、正期産でとてもスムーズに生まれた赤ちゃんなら
経膣分娩であれ、帝王切開であれ、
そんなに慌てて糖水を与える必要はないでしょう。

全身麻酔での帝王切開だと、経膣分娩のママより数時間、
授乳できる状態になるのは遅れるかもしれませんが
赤ちゃんに待っててもらっていいと思います。

ですが、彼女の赤ちゃんは
生まれたとき呼吸状態が安定していませんでした。

分娩中に心拍が落ちたのが影響しているのかもしれず
(胎児仮死からの新生児仮死)

また、全身麻酔ではママの血液中に含まれる
麻酔薬の量が多くなり、それらの一部は
胎盤を通して赤ちゃんにも届きます。
なので、生まれてすぐには呼吸が弱くなることがあるのです。

赤ちゃんは生まれた瞬間から自力で呼吸をし、
体温調節をし、胎外生活に適応しなければなりません。
それには、たくさんのエネルギーを消費します。

おなかの中にいたときは、
胎盤、へその緒から栄養分をもらっていますが、
生まれた途端に栄養分の供給がパタリと止まるため
エネルギー(ブドウ糖)不足になって
一時的に血糖値の低下が起きやすいです。

元気な赤ちゃんなら、多少の血糖値の低下はあっても
病的な域に達する子は少ないですが、

呼吸障害、低体温などがあると
エネルギー必要量が増えて正常を逸脱した
低血糖になってしまいます。

また、未熟児ちゃんや早産児は、
健康な子に比べてからだも小さく、
肝臓に蓄えているエネルギー源ももともと少ない状態で
生まれてきます。
なので、通常以上に低血糖になりやすいです。

切迫早産でウテメリンなどの
おなかの張り止めを使っていた場合は、
赤ちゃんはおなかの中で高血糖状態になっていて、
そのために血糖値を下げようとする働きが強くなっているので
生まれてまもなくは、さらに血糖値が下がりやすいです。

以上のことを総合的に考えると、
彼女の赤ちゃんは、低血糖のリスクがあったと思います。

「最初におっぱいをふくませたかった」
ママの気持ちは本当によくわかるのですが、
全身麻酔からの回復を待つことは厳しかったと思います。
糖水を飲ませることは、医学的適応だったのでは
ないかと・・・。

ただ、欲を言うと、
産前に、ママの母乳育児への希望を
バースプランとしてしっかりと確認、産院とママが
互いに方針を共有することはできたと思います。

医学的適応があって糖水を飲ませる場合には、
哺乳瓶を使うのではなく、
スポイドだったり、薬杯のような小さなカップで飲ませ、
母乳育児の立ち上がりを阻害しないような
配慮はできたでしょう。

帝王切開は誰にでも起こり得ることですよね。
自然分娩できると信じていても
緊急帝王切開になってしまうことも珍しくありません。

帝王切開になることも想定して、
産後の母乳育児のために
どんなことをしてほしいか、
あらかじめ産科スタッフに伝えておくことは大切です。

緊急帝王切開は全身麻酔になってしまうこともありますが、
逆子や反復帝王切開など
予定帝王切開の場合には、麻酔の方法はどうするのか、

その場合、母乳育児のために、
産後、ママは何ができるのか、
産院はどのような処置をするのかも
話し合ったり、知っておくといいかもしれませんね。

こういうことも、
バースプランのひとつだと思います。

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