HISAKOブログ

しつこい『しこり』の正体

shikori - しつこい『しこり』の正体

先週、立て続けに
同じ症状のママが来院されました。

おひとりは、
関東から関西に引っ越して来られたばかりの
生後6ヶ月の赤ちゃんのママ。

生後3ヶ月すぎまでは関東の助産院で
定期的におっぱいを診てもらっていたそうです。

分泌の多いおっぱいだったため、
片乳授乳で分泌量調整をしながら
順調なおっぱいライフを過ごしておられました。

引っ越し直後、
急に片側のおっぱいが固くなり、
赤みを帯びて痛みを伴う状態になりました。
ママは近所の助産院に駆け込みました。

何度か通ってマッサージを受けましたが
よくならず・・・

徹底的な食事制限と
3時間ごと両乳10分ずつの授乳
乳房内に残っている母乳は授乳後に毎回搾乳を
指示されました。

言われたとおりに頑張ろうとするけど
赤ちゃんは左右5~6分ずつ飲んだら
すぐに口を離してしまいます。

授乳したり搾乳した直後はほんのちょっと
しこりは柔らかくなる気がするけど
搾れば搾るほど張ってきてしまいます。

しこりは一向によくなる気配はなく
1ヶ月経ってに2〜3箇所しこりができたままになり
チクチク、ときおり激しくズキン!
痛み、抱っこするのも辛くなってきました。

しこりのできた側の乳頭には白斑ができ
とうとう39℃の発熱。

あわてて診てもらいましたが
しこり部分に母乳が溜まりすぎていて
切開するしかないと
さじを投げられてしまいました。

ママは、自分のおっぱいにいったい何が起きたのか。
現在、どういう状況になっているのか。
しこりの正体は?
なぜ悪化したのか?

知りたいのですが、
「このしこりはもう無理だわ」と言われるばかり。

知りたいことの答えをくれないのは
不安だし、納得できないですよね。

助産師に言われたとおり、指示を守り
頑張ったのに悪化するばかりで

関西に知り合いもいない。
実家も遠い。
不安がいっぱいでした。

自分はママとしてダメななんだと
彼女は自分を責め、どうしていいのかわからなくなり
藁をもすがる思いでばぶばぶに来られたのでした。

では、説明します。

彼女が3ヶ月まで実践していた
分泌量調整のための片乳授乳は、
片側が空っぽになるまで同じほうばかり授乳して
空になったら反対のおっぱい。
それを繰り返す授乳方法です。

ある程度乳房内に母乳が溜まったままにしておくことで
母乳分泌量が落ち着いてきます。

ただし、この方法は
慎重に進めなければなりません。

なぜなら、赤ちゃんが吸わない・・・
つまり授乳間隔をあけすぎると
母乳は乳腺内にどんどん溜まってしまうからです。

吸われなくても
溜まった古い母乳はじわじわと乳管のほうへ
移動していくのですが、

そのような状態で放置するリスクとして
母乳の水分だけが組織にん再吸収され
次第にドロっとした性状に変化し、
時間がたつにつれ、細い乳管腔を流れにくく
なってしまいます。

うまく管理して乳管を流れないほど粘度の高い母乳に
なる前に授乳するようにすれば
いい感じに母乳分泌量が調整され
トラブルの起きにくいおっぱいになります。

おそらく、彼女の場合は
関東では適切な指導のもとに片乳授乳を行い、
分泌量調整が安定していたのだと思います。

赤ちゃんが100日を超える頃には
需要と供給のバランスが取れた状態に
なっていたのでしょう。

それが、転居のバタバタによって
あまり授乳しないで放置する間隔が長くなりすぎることを
繰り返してしまったのかもしれません。

溜まりすぎたとろみを帯びた母乳は
風船のような袋状(嚢胞)になって
溜まるようになってしまいます。

いったん嚢胞を形成してしまうと
慢性的に排出されにくくなるため
乳腺の組織自体が硬く変性してしまいます。

これを「乳瘤」といいます。

今回の彼女のトラブル、
痛みを伴う取れないしこりは

(1)赤ちゃんの月齢(生後6ヶ月。遊び飲みの時期・満腹中枢の確立)
(2)転居による授乳リズムの乱れ・疲労・ストレス・緊張
(3)食事制限3時間ごとの規則授乳によるストレスと疲労
(4)規則授乳+搾乳による母乳分泌の需要と供給のアンバランス

による、乳瘤形成だと思われます。

6ヶ月の赤ちゃんは好奇心がいっぱいで
月齢の低い赤ちゃんのようにおっぱいを飲むことに
集中してくれません。

また、満腹中枢ができるため、
飲みたくないときは飲んでくれません。

なので、母乳の需要と供給のバランスが
崩れやすくなります。

(1)は赤ちゃんの成長だからどうしようもないけど、
(2)~(4)は改善の余地があります♪

とはいえ、いったい乳瘤になってしまうと
大きくなったり小さくなったりはしても
自然に完全除去されることはなかなか難しいです。

ちなみに乳瘤自体は
乳管にできた良性の嚢胞なので
ガンになるようなことはありませんが、
乳瘤が乳管を圧迫し、
閉塞させてしまうために
授乳中は乳腺炎などのおっぱいトラブルが
起きやすくなるので注意が必要です。

彼女が関西の別の助産院で言われたように
完全に乳瘤のしこりと取り去るには
切開するしか方法はありません。

放置しても乳腺炎を繰り返すなどの
トラブルが頻発しないのなら大丈夫ですが、

彼女の場合は
耐え難い痛みに襲われていました。

●乳瘤が周辺の組織を圧迫し
浮腫が出ていることからくる痛みや
細く硬く変性した乳管内を
母乳が移動していくときの圧迫痛の可能性

●乳頭の先の白斑(乳口炎)形成のために
白斑の延長上の乳頭に近い部分の乳腺が閉塞して
細くなり、そこを母乳が通るときの抵抗痛の可能性

●白斑によって赤ちゃんがそこを避けたり
ねじったりして飲み、乳頭に過剰な圧迫が起きて
痛みを生じる可能性

この3つが考えられると思います。

乳瘤ができてしまったら
片乳授乳はちょっと危険かもしれません。
溜まってるところにさらに意図的に溜めたら
こわい・・・。

なので、彼女の場合は、
自律授乳(欲しがったときにあげる)プラス、
おっぱい事情(張ってるなぁと思うとき)であげる。

搾乳は基本的には行わない。
授乳したのに張りが取れない場合は少し搾る。

左右5~6分ずつでも、
赤ちゃんがお口を離したら終了。

病的な痛み(乳腺炎など)のときは
ときおり痛みが走るのではなく、
常にズキズキと打ち身、筋肉痛のような持続痛があります。

母乳の溜まりすぎは
食べ物の影響はあまりありません。
それより、しっかり吸わせなかったことが
原因であることが多いです。

引っ越しのストレスや疲れ、
見知らぬ土地での緊張が
有効な母乳の排出を堰き止めたことも
ひとつの原因でしょうね。

急に寒くなって血流が悪くなったことも
あるかも!

ある程度溜めるのは構いません。
ただし加減が難しい・・・
溜めすぎることで乳瘤を形成しないように。

しこりのできたおっぱい内で
どのようなことが起きていて、

「このような理由でこのような対策をとりましょう」
というわかりやすい説明(メカニズムの理解)
ができる助産師に指導を受けてくださいね。

 

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