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2015.09.29

搾乳器はどんなときに使うの?

昨年出産し、
母乳で悩んでいたときに、
ばぶばぶのブログを見て、たくさん助けられました。
そして、楽しく母乳生活を送ることができ、
今でもブログを見て元気をもらっています♪

搾乳器を使用する場合の時期や、
使い方などをブログに載せていただけると嬉しいです。
乳腺を痛めたり、
搾れる箇所が偏るので使わない方がいい
と聞いたことがあり、
どうなんだろうと疑問に思っていました。


こんなご相談がありました。

そもそも、搾乳って
どういうときに必要なのでしょうか?

現在、
妊娠28w、出生体重1000gで
早産されたママが
ばぶばぶに通っていらっしゃいます。

赤ちゃんはまだ入院中で
ママが退院してからすでに3ヶ月が経過。
彼女は毎日せっせと搾乳して
NICUにいる赤ちゃんに届けていらっしゃいます。

このように
自力でお口からおっぱいやミルクが飲めない
未熟児ちゃんだったり
ワケあって赤ちゃんの鼻からチューブを入れて
ミルクを胃に流し込んで助けてあげなければ
いけないようなときや

赤ちゃんがなんらかの病気などで新生児搬送されて
母子分離状態になってしまったときは
有無を言わせず絶対的に搾乳が必要になります。

母子分離になってしまったら
1日に何度も何度も
それを1ヶ月、2ヶ月・・・
もしかたらそれ以上の長期間
搾り続けなければいけませんね。

このようなケースで
搾乳器がよくないから!と、
かたくなに手搾りを続けたらどうなるか?

おそらく1ヶ月もすれば
ママの手首が悲鳴を上げることになるでしょう。
親指を使いすぎること、
産後の女性ホルモンの影響、
この2つの要因から手首の親指側が腱鞘炎を起こしてしまい

親指を広げると「ズキッ!」
手首をひねると親指の付け根が「イタッ!」
スマホを操作しとうとすると「ウッ!」

ひどくなると
腫れてきたり熱を持ってきたり
痛くて搾乳どころか日常生活さえ
スムーズにいかなくなることもあります。
整形外科で「搾乳禁止令」が出てしまったら
たいへんです!

でも、だからって
NIUCでママを待ってる赤ちゃんに
母乳を届けないわけにもいかないですよね。

なので、長期間(1ヶ月以上)
頻回な搾乳の必要性が適応されると予測されるときは
迷わず搾乳器に手を出しちゃってください!
腱鞘炎になってからでは遅いからね。

本当は、乳腺のためを考えれば
もちろん手搾りがいちばん負担がないんです。
おっぱいのため“だけ”を考えれば
搾乳器よりママの手です。

搾乳器は
過剰な空気圧によって
乳頭の奥から無理やり母乳を出すので
ちゃんと開いている太い乳腺からは搾乳できるけど
開ききっていない細い乳腺には圧がかかるだけで
母乳は出ようにも出られず、痛いばかりです。

結果、乳腺を傷つけたり
乳頭のむくみの原因になって、
赤ちゃんが直母で上手に飲めなくなることがあります。

でも、大事なのは乳腺だけじゃないです。
ママの手首も大事。
乳腺も手首もどちらもほどほどにバランスを保って
守ってあげなければいけないのです。

子どもに手作りの料理を食べさせてあげることは
大事だけど、その料理を作るママが
病気で作れなくなってしまったら元も子もない。

それと同じことですね。

搾乳器はいろいろなメーカーが出していて
手動や電動、さまざまです。

母子分離で絶対的に搾乳が必要、しかも長期間!
のときは手動でも腱鞘炎になるので
電動を使ってもいいと思います。
ただし、赤ちゃんが飲むのと同じリズム、
同じ圧を保てるメーカーのものを選んでほしい!

手動を選ぶときのポイントはハンドルの固さ。
握力のないママがバネのような固いハンドルを
シュポシュポ握り続ければ
やっぱり待っているのは腱鞘炎ですから。
いろいろ試してみて
滑らか〜な動きをするハンドルのものを
選ぶようにしてください。

1回の搾乳で○○cc!!!
と、目標を定め自分を追い詰めないこと。

ノルマ決め、やってる人多いんですが、
おっぱいの分泌量は毎日違うし、毎回違います。

変なこだわりを持たないことが大事です。
あまり搾れないことがあっても
それはそれでいいから。
無理をせずに15分で終了してくださいね。

さてさて、母子分離などたいへんなこともなく
無事に自宅で赤ちゃんとともに過ごせているママ。

おっぱいが出過ぎ、張りすぎのママは
つい搾乳をしがちです。

産院で

「授乳後はカラになるまで搾ること!」

と指導されたとの話を聞きますが

やめてください。
恐ろしいですー。

過度な搾乳は、必要以上に母乳が製造されてしまいます。
分泌過多のママは、後搾りをするよりも
授乳の前にマッサージをする感覚で、
少し乳頭を柔らかくする程度に搾乳します。
「搾乳」・・・っていうか、
「圧抜き」というのが正解ですね。

パンパンに張ったおっぱいでは
赤ちゃんはうまく舌を巻き込めず飲めないので、
柔らかい状態を作ってから乳頭をふくませましょう。

飲ませた後は、
張りがある部分を手のひらの広い面積を使って
軽く圧迫しながら搾乳する程度にとどめてください。

この場合も
「搾乳」・・・っていうか、
「排乳」っていうのが正解ですね。

少しの搾乳では余計に張ってきて
痛くてたまらないというママもいます。

その場合も搾りきらずに軽く搾る程度にして
できるだけ赤ちゃんに飲んでもらってください。

3時間ごとと言わず、
赤ちゃんの要求も無視していいので(ごめんよ)
おっぱい基準でとにかく赤ちゃんにたくさん飲んでもらいます。
そうすることによって自然と量が調節されていきます。

ツーンと張ってくる「催乳感覚」に合わせた授乳をしていると、
需要と供給が合ってきて、
分泌過多のおっぱいも次第に
ちょうどよい量へと調整されていきます。

出過ぎおっぱいのママは
基本的に搾乳器使用は控えたほうがいいと思います。
手を使ってゆっくり穏やかな気持ちで圧抜きをします。

冷えピタなどで適度におっぱいを冷やしてあげても
いいですし、
乳製品や高カロリーなものを食べること、
水分のとりすぎを
少し控えてみてくださいね。

あとは、
職場復帰で昼間、
1〜2回の搾乳が必要だという場合がありますね。
月齢が進んでいればおそらく復帰から2ヶ月も搾れば
以後は職場では搾乳しなくても夕方までもつ
仕事モードおっぱいに切り替わっていきますから大丈夫。

月齢の低いうちから復帰の場合は
搾乳期間が長く続くことも予測されます。

だったら電動搾乳器?!

と思うかもしれませんが
1日2回ぐらいまでの手による搾乳ならば
そのような日々が長期間続いたとしても
腱鞘炎にはならないと思います。

できれば自分の手で搾るのがいいです。
でも「休憩時間がそんなに取れないのよ!」
という人など、どうしても搾乳器を使いたいときは
手動のハンドル柔らかタイプのものを使ってくださいね。

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