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2019.07.22

助産師になりたかった理由(高校生向け看護講話)

今日は大阪府立藤井寺高校
3年生に向けて出張授業に行ってきました。

普段、教育現場に行くときは
『いのちの授業』の依頼が多いのですが、

今日の生徒たちは
看護系の大学・短大・専門学校への
受験を目前に控えた
『看護師の卵の卵』たち。

いのちについての講義
わたしの経験談、苦労話ややりがい
仕事の厳しさや魅力を語ってほしい、

生徒にとっての
志望理由や面接のヒントになれば・・・という
担当の先生からのご依頼でした。

志望理由かぁ。

看護師・助産師になろうと思った理由って
なんやろう。

面接では
看護を目指す動機なんかを問われるわけですが、
そんなカッコイイ、自慢できるような立派な動機
みんな持ってるんでしょうか・・・?

てゆーか、
明確な目指す理由がないとあかんのかな?

わたしは高校生のときに
たまたまテレビで
助産師学生24時、みたいなドキュメント番組を観て、

なんかすごいな〜。
なんか感動するな〜。

と思ったんです。

ちょうどその時期に
月経不順(正確には17歳にして初潮を迎えておらず)で
産婦人科を受診しました。

待合室に
妊婦さんや生まれたての赤ちゃんが
たくさん座っておられました。

今まで意識したこともない世界観が
そこにありました。

いつかわたしも
お母さんになるのかもしれない・・・
女性という『性』を持って生きている
ということを初めて自覚したんですよね。

恋愛をしたことさえもない
17歳の女子高生は
医師の指示で基礎体温を測り始めました。

薬剤治療による初潮誘発。
生理がくるまでは基礎体温はガタガタだったけど
2回、3回と生理が来るようになると

基礎体温は
月経開始で低温期→排卵→高温期

見事に2相のグラフになりました。

なんやこれー!?
すご!

わたしは自分の身体の神秘に感動しました。

テレビと、自分が「女性」である事実、
そして待合室の妊婦さん、
小さくてかわいい赤ちゃん、

いくつかの材料が寄せ集まって

『助産師になりたい!!』

目指す方向が見えてきたのでした。

看護系の志望校。
当時は専門学校がほとんどで
大学・短大の看護学科はわずかしかなく

自分の学力を考えた結果
数学の試験がない学校を選ぼうと(笑)。
(当時から数学・物理が大嫌い。
最大のネックだったんです!)

国語と英語は得意。
なかでも小論文書かせれば
右に出る者はいませんでした!
(今、その能力がブログに活かされてます)

大学・短大?
それとも専門学校?

調べると、
専門学校は看護技術に力を入れて学ぶので
新人1年目から現場即戦力になり

大学・短大は
看護診断に力を入れて学ぶので
最初から現場即戦力にはならないが
長い目で考えたときには
患者さんの状況を多方面から観察し
分析・アセスメントし、
広い視野から患者さんに関わる能力が養われる

それぞれ特色がありました。

自分に向いてるのはどっちかな?

点滴管理や採血など
看護技術は現場で
追々身につくことじゃないかと思ったんです。

でも、
日々の看護業務に追われる現場では
患者さんのことを総合的、的確な視点から捉え、
優れた観察力で分析して改善策を考えたり、
修正したりするアセスメント力は
モノにならないような気がしました。

もともと、ひとつの物事があると
なぜそうなったのか?
そこに影響するものは何か?
ならばどうすれば、
もっとより良い状況になるか?

複雑な事柄を単純な要素に分解して
全体の構造を明らかにする作業が好き。
それをまとめて文章にしたり
相手にわかりやすく伝える作業も好き。

患者さんに
納得してもらえるような説明を
きちんとできる看護師・助産師になりたい。

ならば、進む道は専門学校ではなく
大学・短大だな、と。

大学は数少ない上に
数学の壁が~~~~!
数学むりーーー(笑)

金銭面でも短大に通わせてもらえる財力が
実家にあったため
(今から思えばめっちゃありがたい話です)

小論文で勝負をかけることのできる
看護短期大学に決めました。

入学後、
迷わず母性看護学を学びたかったので
ゼミも『自然分娩』を選択しましたが

看護実習で各科を回っているうちに
どうも小児看護にも関心があることに気づきました。

3年生のとき
助産学科に進学するのか?
それともこのまま看護師として
小児科を希望するか?

悩みました。

このままストレートで助産師になったら
自動的に産婦人科勤務になるかな・・・
でも、小児科も経験したい・・・

助産師は
看護師の免許取得しているわけですから
小児科勤務もできるのですが、

早く現場に入りたい気持ちが強かったので
看護師として1年間
小児病棟勤務をしてみて、
やっぱり助産師!と思ったら
もう一度、学校に入り直そうと思いました。

内定をもらった神戸中央区の総合病院。
その直後、阪神大震災があり
病院周辺はたいへんなことになりました・・・。

半壊の病院寮に入居。
お風呂もまだ復旧していなかったので
病院のシャワーを順番で借りに行く毎日でした。

院内も震災の影響で混乱していました。
もっとも被害が大きかった地域で
産婦人科病棟も半壊していました。

小児科病棟に産婦人科病棟が間借りの形
混合病棟勤務として
わたしの医療職人生は
神戸の復興とともにスタートしました。

家を失った患者さん、
家族を失った患者さん、
いろんな人生模様に出会いました。

看護師として分娩介助にも入りますが、
助産師さんが、やっぱりかっこいいんですよね〜。

看護師は内診ができません。
分娩の間接介助はできても
直接介助はできません。
行ってもいい医療行為が限られています。

モヤモヤしました。
子どもたちと関わる小児科の仕事も
素晴らしかったけど、

刻々と変化する分娩進行に
完璧な判断でテキパキ動く助産師が
かっこよすぎて!

どんなに緊迫した状況にも
決して産婦さんを不安にさせない落ち着きと
コミュニケーション能力が
まぶしすぎて!

「やっぱり助産師になりたい!」

わたしの気持ちを固めてくれたのは
産婦人科・小児科、
混合病棟だからこそ、でした。

社会人デビューして
たった3ヶ月で助産学科進学を決めました。

助産師学校の面接では
お約束の志望動機を尋ねられました。

かっこいい志望動機なんて、
型にハマった没個性でしかありません。

それっぽい志望理由なんて、
面接官の心には何にも響きません。

どうして助産師になりたいのか?

人を幸せにしたい!
人を笑顔にしたい!
赤ちゃんや子どもが好き!
女性の身体の持つ神秘がすごいと思う!

だから、命の現場で働きたい!

助産師になって22年、
今もわたしは
あのときの気持ちのままでいます。

ママを幸せにしたい!
ママと子ども、パパを笑顔にしたい!
人が好き!
いのちを育むことのできる
女性という『性』は、神だと思う!

志望理由は
シンプルに、
自分に正直な答えでいいと思います!

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